ボルボ・カーズは、7月8日、ベンチャーキャピタル投資部門のボルボ・カーズ・テック・ファンドを通じて、ブロックチェーン技術企業のCirculor(サーキュラー)社に投資したことを公表した。なお、ボルボ・カーズ・テック・ファンドによる投資は、Circulorによる資金調達活動の一部であり、他にもSYSTEMIQ(システミック)、Total Carbon Neutrality Ventures(トータル・カーボン・ニュートラリティ・ベンチャーズ)、Plug & Play(プラグ・アンド・プレイ)の3社が投資に参加している。
ボルボ・カーズとCirculorは、ここ数年、電気自動車のバッテリーに使用されるコバルトのトレーサビリティを高めるためのブロックチェーン技術で協力しており、Circulorのブロックチェーン技術は現在、ボルボ・カーズのバッテリーサプライチェーン全体で使用され、初の完全電気自動車である「XC40 Recharge P8」においては、使用されるコバルトのトレーサビリティを100%可能する。また、Circulorが開発した技術は、ボルボ・カーズのバッテリー供給パートナーであるCATLとLG 化学とのパートナーシップによって既に導入されており、ボルボ・カーズ、CATL、LG化学における3社間契約では、「XC40 Recharge P8」を含む、ボルボとPolestar(ポールスター)の次世代モデルに今後10年に渡りバッテリーを供給することが約束されている。
ボルボ・カーズとCirculorは、今回の投資によって、電気自動車のバッテリーパックの絶縁材料として使用されている雲母など、コバルト以外にも対象を拡大してトレーサビリティの向上が可能になるほか、CO2排出量のトラッキングや削減など、ブロックチェーンの技術協力を他の分野にも拡大する可能性について調査しており、Circulorによる自動車産業やその他産業における倫理的な調達基準の設定に活用されると述べている。