(文・写真:編集部)
安全・安心の店舗利用に向けて
ホームページ上で「がんばろう日本! 新型コロナウイルスに負けない!」を掲げ、感染対策や協力活動に全社で取り組むトヨタモビリティ東京。自治体や医療施設への車両提供や備品寄贈、輸血用血液不足を補う団体献血の実施等、活動は多岐にわたり行われてきた。
その中でも、特にスピード感をもって対応してきたのが、「来店者に安全・安心して店舗を利用してもらう」ための感染防止対策だ。5月22日には、対面の接客で効果を発揮する「飛沫感染防止シールド」(以降シールド)の全店舗設置を発表。感染予防対策に使える資材の不足が市場で起きている中、配備開始から2週間という早期でトヨタおよびレクサスブランド全234店舗への設置を完了させた。
店舗独自の予防策からスタート
ショールーム内の接客テーブルやサービス受付カウンターに設置されたシールドは、高さ60cmの透明アクリル板を加工して作られており、サイズは設置箇所に合わせて幅1200mm、900mm、600mmの3種類が用意されている。
「このシールドはお客様からも好評で、『やっぱりトヨタさんだね。対策がしっかりしている』との声をいただいている」と話すのは、同社吉祥寺店の岩田健店長。同店は、本部が全社展開する以前からシールドを自作し、感染予防を図ってきた店舗でもある。
岩田店長は「しっかりした企業は、しっかりした対策を行っている」という理念のもと、「従業員を感染から守り、お客様の安心にもつなげるために、何かできることはないか。そう考え、シールドの設置を構想し始めたのが3月末。東京都の緊急事態宣言発令後、4月10日ごろには、最初の試作品を設置した」と話す。
その後試行錯誤を繰り返し、4月17日にはアクリル板が付いた大型ポスターフレームを分解して資材を調達し、適度なサイズ感のシールドを製作。下部に書類やカタログの受け渡しができる窓を設ける等、利便性を高めるブラッシュアップも行っていった。
店舗独自と本部の取り組みを融合
この吉祥寺店のシールド自作が「全社展開の際に大いに役立った」と話すのは、戦略本部 店舗開発部の担当部長、上野剛室長だ。「本部でも、感染防止のための様々な対策を進めていく中で、4月初旬にはシールドの必要性を感じ、資材メーカーとの相談も進めていた」と話す。
4月末にはアクリル板の調達目処も立ち、サイズ感や形状を思案していた5月頭には、吉祥寺店の岩田店長からも「現場の意見やお客様の声等、フィードバックを聞くことができた」と話す。
「店舗独自の取り組みと、会社としての取り組み、各々進行していたことがゴールデンウィーク明けに融合できた」と上野室長。「現場では、シールドの必要性を感じてすでに動き始めていたこと、お客様からも高評価をいただけたことが、自信を持って『すぐにやりましょう』と社内で言える後押しとなり、シールド約2400枚の全拠点早期納品が実現した」と話す。
様々な側面から今できる対策を推進
シールドは、吉祥寺店に併設されたコールセンターでも衝立の延長素材として採用されている他、同店では店舗の感染予防対策を明記した自作の大型ボードを入り口に設置し、来店者にもしっかり通知。安心感を持ってもらえるよう創意工夫している。また、店舗共通の対策として、展示車・試乗車、店内の定期的な除菌や換気、ソーシャルディスタンスが確保できるテーブルやイスの配置変換や数自体を減らす取り組みも行っている。
新型コロナウイルス感染者移送用および飛沫循環抑制車両の提供・協力活動は取り組みが続いており、5月28日時点で、江戸川区、荒川区、中野区、文京区、町田市、新宿区、板橋区、そして東京医科大学病院に提供している。現在、様々な行政機関からの問い合わせもきており、同活動は今後も継続して取り組んでいくとしている。