【ワンダー速報】ココが良い!ココがダメ!BMW2シリーズグランクーペ M235i xDrive 試乗!

試乗レポート

新型コロナウイルスの影響で、しばらく試乗できていませんでしたがようやくカー&レジャーさんの試乗に相乗りすることができました。

その復帰第一弾となるのがBMW2シリーズグランクーペです。私のところにも「試乗レポートしてくれ!」というリクエストを何件もいただいていましたが、ようやく実現できました。

しかも一番ホットモデルのM235iです。果たしてその実力やいかに…。

試乗車はBMW M235i xDrive グランクーペ、車両本体価格は665万円から。

■エクステリアは1シリーズよりはるかにスタイリッシュ

試乗車の2シリーズグランクーペM235iは、2シリーズグランクーペの中でも最もホットなモデルで車両本体価格は665万円とかなり高価ですが、ベースグレードは369万円からラインナップがありますのでご安心を。

まずはエクステリアですが、初めて見た時はその低くワイドなボディと鮮やかなスナッパーロックブルーという鮮やかな青に見惚れましたね。

正直に言うと、BMWの新型1シリーズは頭でっかちに見える顔つきやボディラインにはあまり好印象を持っていませんでしたが、2シリーズグランクーペは、それとはまったく異なる好印象となりました。

今回からFFベースとなった2シリーズクーペですが、長めのフロントノーズと絞り込まれたボディ上屋、そして大地に踏ん張るようなリアタイヤなど、このクラスのどのモデルにも似ていない個性になっています。

中国市場を意識して、どんどん大きくなるキドニーグリルが多いBMWですが、この2シリーズグランクーペは良識的なサイズになっているのもポイントです(笑)

ライバルはメルセデスベンツのCLAだそうですが、デザインの方向性がぜんぜん違うので直接的な比較にはならない気がします、というのはCLAシューティングブレークオーナーの私の感想ですが。

2シリーズクーペは2ドアでFRだが、2シリーズグランクーペはFFベースで4枚ドアになり実用性は高い。

ボディサイズは、全長4,540mm×全幅1,800mm×全高1,430mmと、全幅が1.8mに収まっているのは素晴らしいです。

これなら駐車場事情にも困らないでしょう。

切れ長なヘッドライトはアダプティブLEDヘッドライト完備。

そしてタイヤ&アルミホイールは18インチで、ブレーキのM SPORTキャリパーカバーがアクセントになっています。

個人的に好きなのが、リアコンビネーションランプがこのクラスとしては異例なくらい横に長く、ボディをよりワイドに見せている点。さらに、昨今ダミーのマフラーデザインが多い中、BMWはちゃんと機能性のあるマフラーになっているのもGOOD。

エクステリアに関しては総じて高評価ですね。

■内装は2シリーズグランクーペのトップモデルだけに質感高い

続いては内装ですが、Z4以降のBMWの内装は質感もとても良いですね。それまでは「BMWは走りは良いけど内装がなぁ」と思われがちでしたが、最近は内装の質感もライバル以上と思えるようになりました。

2シリーズグランクーペはサッシュレスドアなので、開けたときにスッキリしているのも良いですね。

そしてトリム上部や肘置き周りはステッチ付きの合成皮革で覆われ、シルバーのオーナメント部分はバックライトで夜間には光るようになっています。

インテリアデザインはBMWの全車種で1シリーズから8シリーズまで統一された文法でデザインされているので、ボタンや操作系のレイアウトが迷うことがないのはメリットですが、代わり映えがしないと言うデメリットもあります。

内装はBMWのデザイン文法に則ったものなので、目新しさはないが質感は高い。

ただ、使われている素材は、下位グレードよりも上質になっており、レザーやメッキなどが随所にあしらわれていて心地の良いコクピットになっていると感じました。

BMWライブコックピットと名付けられた10.25インチのナビ画面とデジタル液晶メーターは、今までの平面的なアナログメーターだったBMWのインテリアから一気に先進的な印象へと変わりました。

しかも、車載通信器(DCM)でインターネットにコネクテッドされているので、ナビ画面には天気やニュースなど最新の情報が表示されます。コレは良いですね!

車載通信器(DCM)でインターネットにつながっているので、天気やニュースなどが表示される。

そして同じく10.25インチのマルチディスプレメーターパネルと名付けられた液晶メーターですが、こちらがユニークなのはタコメーターが反時計回りに回って上昇するタイプになっています。

これもデザインを優先した事によるものだと思いますが、プジョーのi-cockpitと同じような演出です。慣れるまでは見づらいかもしれません。

メーター中央には地図が表示されますが、あくまで簡易的な道路を表示するだけで、任意の拡大縮小やコンビニやガソリンスタンドなどのランドマークの表示はできないので、ナビのルート案内中の補助として使われるのがメインだと思います。

マルチディスプレイメーターパネルでは、タコメーターは時計と逆周りに上昇する。

Z4以降のBMWでは、電動パーキングブレーキとブレーキホールドも標準装備されるようになりました。これも嬉しいポイントですね。こうした運転支援系には否定的なのではとも思えるほど遅れていたBMWでしたが、ハンズオフや電動パーキングブレーキ採用など、ライバルメーカーよりも一気に先進的になったのは興味深いですね(2シリーズグランクーペにはハンズオフは非搭載)。

■後席やラゲッジは想像以上に実用的

続いては後席に乗り込んでみますが、運転席を身長173cmの私のドライビングポジションに合わせた状態で、後席膝前にはコブシ2個分ほどの余裕があります。

Cセグメントとしてはこれだけ広ければ優秀だと思います。このあたりはFFベース化された恩恵なのかもしれませんね。

後席の足元は想像以上に広い。

後席にもエアコンの吹出口やドリンクホルダー付アームレストも完備されるなど、快適に移動できそうですが、USBポートなど充電設備が一つも無かったのはマイナス点です。メルセデスのAクラスでも後席にはUSB-Cが2口完備されていますからね。

続いてラゲッジスペースですが、クーペなのでキャビンとは隔絶されたトランクになっています。

開口部分はお世辞にも広いとは言えませんが、奥行きは想像以上に広く、430Lもの容積を確保しています。Cセグメントとしてはかなり広いほうです。

ラゲッジは開口部すら狭いものの、奥行きは十分で430Lもの容積がある。

しかも後席は4:2:4で分割して倒すことができるので、4人乗車でも真ん中だけを倒せば長尺ものも詰めるのは良いですね。

後席の居住性や、ラゲッジの広さは想像以上に実用的でした。

後席は4:2:4で分割して倒すことができる。

内装の詳細なレポートは、動画でもまとめているので見ていただけるとわかりやすいと思います。

■走りはBMWらしさ全開!しかし手放しでは褒められないネガティブなポイントとは

続いては走りの評価ですが、エンジンをかけてみると「ガゥオン!」という刺激的なサウンドが聞こえますが、その後はアイドリング中はとても静かで振動などもほとんどありません。

走り始めるとやはり堅牢なボディに守られている感じがひしひしと伝わってきますが、乗り心地はやや固め。それでもカンカン来るような硬さではなく、ランフラットタイヤを履きながらも角の丸められた硬質感となっています。

ハイチューンの2.0Lターボは最高出力225kW(306ps)/5,000rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1,750-4,500rpmというスペックで、450Nmもの大トルクを1750rpmで発生させるため、市街地では2,000rpmも回さずに事足りてしまうほどトルクフル。

そして私がBMWに乗るたび大絶賛のM SPORTステアリングホイールの握り心地の良さと、どっしりとした重めのステアフィールは、まさに街中を流しているだけでも駆け抜ける歓びがあると言えるドライブフィールになっています。

組み合わされる8速ATもロックアップ比率が高いのか、DCTと間違えてしまいそうなくらい変速も早くダイレクト感にも富んでいます。これは本当に素晴らしいです。ただ惜しむらくは、メーターでは今何速にシフトが入っているのかがわからないのが残念。

マニュアルモードにすればわかりますが、Dレンジでもわかると良いなと思います。

218iでは7速DCTだが、M235iでは8速ATとなる。

そして手放しで褒めるだけにはいかない、ネガティブなポイントもいくつかあります。

まず気になるのはロードノイズです。通常速度域からかなりのロードノイズが車内に入ってきます。これは昨今乗ったクルマの中でも相当気になるレベル。特に荒れた舗装路では後席との会話も大きな声で話さなければならない感じになってしまいます。

マフラーからは心地よいエキゾーストサウンドが聞こえているはずですが、そのほとんどがロードノイズによってかき消されてしまっていました。

更に残念なポイントとしては、3シリーズでは実現しているハンズオフが実装されないのは車格的に仕方ないのかもしれませんが、それだけではなく、アダプティブクルーズコントロール中に同一車線内を維持するレーンキープアシストまでもが用意されていない点。

昨今のクルマでは、レーンキープやレーントレースと呼ばれる白線の中央を維持するようにステアリング制御をする運転支援装備は当たり前に付いていますが、それが600万円以上するM235iに付いていないのは残念です。

最近では軽自動車にすら付いていますからね。

とは言え、車線をはみ出しそうになった際には、逸脱抑制制御のレーンディパーチャーアラートは作動して、はみ出さないようにステアリング制御はしてくれるので、その点はご安心ください。

走りの詳細なレポートは、動画でもまとめているので見ていただけるとわかりやすいと思います。

■見た目良し、内装良し、走りよし、後は価格か

といった感じで、BMW M235i xDrive グランクーペを試乗してみましたが、エクステリアも何モノにも似てないオリジナリティがあり、内装も質感が高く、コネクテッドやデジタル液晶メーターなどの先進性もあり、後席やラゲッジの広さも十分で、走りも楽しいと、とてもバランス良く出来たクルマだなぁと感心しました。

あとはコミコミ700万円を超えてくる価格帯ですが、M235iほどのパワーさえ求めなければ、218iグランクーペは369万円からのラインナップなっているので、それでも良いかも。

218i グラン クーペ M Sportでも448万円からなので、M SPORTなら見た目もいいですしね。

気になっている人は、お近くのBMWディーラーに足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

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[ドラヨス]
月間71万PVのブログ「ワンダー速報」と、月間330万再生以上のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、年に何台もクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

ワンダー速報ブログ:https://wansoku.com/

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