三菱自、オープンプラットフォーム型アグリゲーションビジネスの実証事業を開始 -

三菱自動車工業を含む以下記載の30社は、経済産業省が一般社団法人環境共創イニシアチブを通じて公募する実証事業「令和2年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金（VPP アグリゲーション事業）」に申請し、情報通信技術等により分散するエネルギーリソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電設備のように機能する仮想発電所“バーチャルパワープラント（以下、「VPP」）”の構築と、それを通じたリソースアグリゲーション事業の実現を目的として、6月8日から上記実証を開始したことを公表した。

30社は、近年、太陽光発電などの再生可能エネルギー（以下、「再エネ」）による出力変動や余剰電力の発生など、電力系統の安定運用に影響を及ぼす課題が顕在化しつつあり、電力系統の安定化には発電所などによる調整が必要な一方、発電設備を保有・維持するにはコストがかかり、継続的な再エネ導入と電力系統安定化を低コストで両立する新たな仕組みが必要とされている状況を受け、上記実証事業を通じて、将来にわたる継続的な再エネの導入拡大と電力系統の安定化の両立を目指し、社会に分散して存在するエネルギーリソース（蓄電池、電気自動車（以下、「EV／PHEV」）、給湯設備、太陽光発電等の多種多様な電力設備）をメガワット級の調整力とする VPP の構築に取り組むほか、EV／PHEV の蓄電池との双方向間で電力需給調整を行う V2G（Vehicle to Grid）事業のビジネスモデルを構築し、事業化を検討していくと説明している。

30社はこれまでに、2016 年度においては、需要家と VPP サービス契約を締結してリソース制御を行う事業者（リソースアグリゲーター）が制御した電力量を複数束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者アグリゲーションコーディネーター（以下、「AC」）のシステム開発、リソースの整備を行い、2017 年度においては、送配電事業者向けのサービスを見据えたACシステムの改良と実証、リソースアグリゲーション事業のビジネスモデルの検討等を実施。2018 年度は、将来の需給調整市場を見据えたACシステムの改良と実証、配電系統の安定化に関する検討等を実施した。

2020年度においては、リソース制御精度の更なる向上に向けたACシステムの改良と実証、需給調整市場の制度課題やビジネスモデルの検討等を加速し、リソースアグリゲーションビジネスの早期実現、2021年度からの需給調整市場参入等を目指した取り組みを実施すると述べている。

30社は、 VPP の構築を通じ、世界的なエネルギー・環境問題を解決するための革新的なエネルギーマネジメントシステムと、リソースアグリゲーション事業の確立を目指すと述べた。