アストンマーティン・ジャパンは5月27日、英国のアストンマーティン・ラゴンダ・グローバル・ホールディングスplcの最高経営責任者(CEO)に、トビアス・ムアース氏が就任することを発表した。
CEO に任命されたトビアス氏は、2020 年8月1日付で前任のDr.アンディ・パーマーの役職を引き継ぎ、英国ウォリックシャー州ゲイドンの本社において新しい役職に就任する。
就任までの暫定期間中は、現在、副社長兼最高製造業務責任者を務めているキース・スタントン氏が暫定最高執行責任者として、取締役会会長のローレンス・ストロール氏をサポートする体制となる。
メルセデスAMGで優れた実績
ムアース氏は、ドイツを本拠地とするダイムラーAGで25年以上にわたり上級管理職を務め、現在はダイムラーAG取締役会会長であり、メルセデスAMG GmbHの最高経営責任者兼最高技術責任者を務めている。
競争の激しい自動車業界において事業の変革を成功させた手腕が高く評価されおり、同氏のリーダーシップのもと、メルセデスAMGは製品ポートフォリオを2倍以上に拡充し、AMG車両の販売台数を4倍に拡充。特にパフォーマンス・セグメントにおけるパワートレインの電動化に取り組み、さらなる販売拡大に対する明確な道筋をつけるとともに、業務および製造の効率化を追求し、利益率を大幅に引き上げることにも成功している。この力強い財務実績は、明確なブランド管理戦略により実現、ブランドの価値と認知度を大幅に向上させた。
ストロール取締役会会長は、「取締役会は、新しいリーダーシップによって当社の計画を推進すべき時が来たと判断した」とし、「トビアスは、非常に才能のある自動車業界のプロフェッショナルであり、ダイムラーAGにおける長年の豊富な実績を備えたビジネスリーダーでもあります。彼はキャリアを通じて、製品ラインナップの拡大、ブランド・ポジショニングの強化、収益性の向上を実現してきました。アストンマーティン・ラゴンダのリーダーとして適任であり、アストンマーティンの事業戦略を実行することによって、彼の能力を最大限に引き出すことができると確信しています。私たちは、今後の会社の方針に関して、明確に意見が一致しており、事業を成功に導くための強い決意を固めています」とコメント。そして自身とムアース氏は「全力を尽くして仕事に取り組む」と述べた。
新任のムアース氏は「会社が成長を遂げているこの時期に、アストンマーティン・ラゴンダの一員に加わることを大変楽しみにしています。私は常にパフォーマンスカーに情熱を傾けており、このアイコン・ブランドと共に働く機会を得ることができて嬉しく思っています。アストンマーティンとパートナーシップを締結した当初、両社は技術面で非常に近い考え方を持っていました。ローレンスが取締役会会長に就任した後、彼が率いるイュー・ツリー・コンソーシアムによる巨額の投資が実施され、増資と調整が完了しました。これによって、弊社のビジネスの強みを活かし、計画どおりに製品ラインナップを拡大し、ブランド・バリューを高める貴重な機会が創出されたと確信しています。ローレンスおよびアストンマーチン・チーム全体と協力して、お客様、従業員、パートナー、株主のためにより力強い事業を構築することを目指します」と声明を発信した。
また、退任するパーマー氏は次のようにコメント。「約6年間にわたり、アストンマーティン・ラゴンダを主導できたことは、私にとって大変栄誉なことです。新型DBXを含む数多くの新製品は、従業員の献身的な努力と高い能力を実証するものです。特に、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされた困難な時期に、素晴らしい働きとサポートを提供してくれた経営陣とすべてのスタッフに感謝したいと思います」。