国内外自動車メーカーがこぞって繰り出すSUV（スポーツ・ユーティリティ・ビークル）は、もはや“ブーム”を通り越し“定着”の新時代に突入したといえるだろう。高い車高による視界の広さや乗り降りのしやすさ、大きな荷物も積みやすい広い室内空間、そして何といってもタフで頼もしい印象のスタイルはカッコイイ‼その人気も無理がないところだ。
ただ、高い悪路走破性を備える本格的なSUVまでいくと、多くの人にとってオーバースペック気味になる。道なき道を走破する高度な4WDシステムは頼もしいが、重量増にもなり燃費面でも不利。価格も高くなってしまう。オフロードでは心強い高すぎる最低地上高も、舗装路ではマイナス面が出てくる。
そこで今回は、SUVのタフな雰囲気をもっと気軽に楽しめるモデルを紹介しよう。日常の使い勝手の高さはそのままに、少しワイルドな雰囲気をプラスしたこれらのモデルは、まさにイイトコ取り。カスタマイズも似合うから、他人とはちょっと違うクルマに乗りたいという人にもオススメだ。
■三菱・eKクロス／eKクロス スペース
三菱といえばSUVだが、その中でも代表格となるのがデリカD:5。その迫力あるデザインを、軽自動車に取り入れたのがハイトワゴンの「eKクロス」とスーパーハイトワゴンの「eKクロス スペース」だ。ボディは小さいが、その存在感は圧倒的である。
ベースとなるのはeKワゴンとeKスペース。これに、両モデルとも三菱のフロントデザイン、ダイナミックシールドを採用し、垂直のメッキバーと水平基調のグリルで力強さを表現した。インテリアは、両モデルとも標準車と異なる細部までこだわったデザインが与えられている。
特筆すべきは、両モデルとも高速道路での巡航や渋滞時に、運転負担を軽減するマイパイロット、予防安全技術のｅ-アシストが設定され、安心感を高めていること。見た目だけでなく、安全性でも高い実力を備えたモデルだ。
【希望小売価格】［eKクロス］141万4800円～176万5800円［eKクロス スペース］166万5500円～199万1000円
■ホンダ・フィット クロスター／e:HEVクロスター
今年2月にフルモデルチェンジした新型フィットには、SUVテイストのデザインを持つ“クロスター”が設定されている。
エクステリアは、専用のフロントグリルと前後バンパー、ホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュ、ドアロアガーニッシュを採用。さらに、専用デザインの16インチアルミホイールが足元を引き締める。「SUVらしさ」という点では若干控え目だが、それだけに上品さも感じられるモデルだ。
インテリアは、ブラックを基調にグレーのアクセントカラーで構成され、シートやアームレストは撥水性の高いウォータープルーフ素材を採用。実用性に優れているのもポイントといえるだろう。
パワーユニットは1.3リッターガソリンエンジンと、モーター走行中心のハイブリッドシステム、e:HEV（1.5リッターエンジン＋2モーター）が用意されている。
【希望小売価格】193万8200円～248万6000円
■ホンダ・フリード／フリード＋ クロスター・ホンダセンシング
コンパクトミニバンのフリードと、2列シートのフリード＋（プラス）に、SUVのタフネスさを表現した“クロスター”が設定されている。多機能のミニバンにSUVのスタイルを持つという、何とも“欲張りな”グレードともいえる。
エクステリアでは、専用デザインのフロントグリルとフロントバンパーに、フロント／リヤロアスポイラー、シルバー塗装の専用ドアミラー等を装着。インテリアでは、プライムスムース×ファブリックのコンビシートをはじめ、プライウッドのインパネ等専用デザインとなっている。
パワーユニットは1.5リッターガソリンとハイブリッド（1.5リッターエンジン＋モーター）でいずれもFFと4WDがある。
【希望小売価格】238万400円～304万400円
■トヨタ・アクア クロスオーバー
コンパクトサイズで唯一のハイブリッド専用車のアクアには、2014年のマイナーチェンジ時にSUVルックのグレード「X-URBAN」が初めて追加された。
現在は「クロスオーバー」という名称に変更、エクテリアに専用デザインのフロントグリルとフロントバンパー（ブラックアウトではない）、さらに、サイドマッドガード、前後スキッドプレート、フェンダーアーチモール等を装備する。
ホイールはベースに対し、1インチアップの16インチ＋アルミホイールを装着。さらに、本革巻きステアリングホイール、合皮内装等と装備が充実。
最低地上高はベースに比べ30㎜アップで、走破性向上というより乗降性アップにつながっている。見た目だけでなく、実用性の高さでも選びたいモデルだ。
【希望小売価格】209万7700円（特別仕様車219万8900円）
■スズキ・スペーシア ギア
軽スーパーハイトワゴンの良さをもっと幅広い層に知ってもらいたい、という思いを込め、派生モデルとして誕生したモデルだ。ハスラーやジムニーにも共通する、スズキ軽SUVらしいワクワクするテイストにあふれている。
エクテリアではアンダーガード風のバンパーはもとより、丸目ヘッドライトやブラックアウトのフロントグリル、ルーフレール等で、オリジナルのイメージを大きく変えている。
インテリアも遊び心が満点。インパネの収納スペースはツールボックスを、メーター類はアウトドアウォッチをそれぞれイメージしたデザイン。オレンジカラーがアクセントになっている。
また、シートの撥水加工や、ラージスペースは汚れを拭き取りやすい防汚加工を施し、気兼ねなく“泥んこ”の道具を積み込める。ファミリーでの気軽なアウトドアレジャーに最適なモデルといえるだろう。
【希望小売価格】164万4500円～189万900円
