江島神社 奥津宮〜江の島岩屋
険しい石段の先にある自然美
コッキング苑から「奥津宮(おくつみや)」を目指すには、飲食店などが並ぶ御岩屋道通りを経由。途中には江の島をちょうど二分にする境「山二つ」もあり、ここでも絶景を見ることができる。なお、ここから江の島岩屋を目指す道は階段の昇り降りが多く高低差もあるため、島内でも一番険しい場所と言える。
奥津宮は、三女神の一番上の姉神となる「多紀理比賣命」が祀られ、安らかに海を守る神様といわれている。拝殿天井には、どこから見てもこちらを睨んでいるように見える「八方睨みの亀」が描かれ、灯篭に精巧に掘り出された龍宮の乙姫(右側)と、亀にのった浦島太郎(左側)、源頼朝が寄進したとされる岩鳥居と合わせて一見の価値有りだ。
また、奥津宮付近には、江の島に残る「天女と五頭龍」の恋物語にちなんで造られた「恋人の丘 龍恋の鐘」もあり、カップルで鳴らすと絆が深まるというロマンチックなスポットも。小高い丘の上にあり、気象条件が良ければ伊豆大島を見渡せる眺望の良さも魅力的となっている。
奥津宮から島の西南端に向かうと、隆起現象で生まれた海食大地「稚児ヶ淵(ちごがふち)」が姿を現す。屏風のように連なる断崖の真下にあり、富士山の向こうに沈む夕日を見られることから「かながわの景勝50選」にも選定されているほか、磯釣りの名所としても知られ、観光客だけでなく、釣りを楽しむ人も多く見られる。
島の最奥部にある海食洞窟「江の島岩屋」は古くは弘法大師や日蓮上人も修行したといわれ、江の島信仰発祥の地として崇められてきた。奥行152mで富士山の氷穴に通じているといわれる第1岩屋と、奥行56mで龍神伝説の地といわれる第2岩屋で構成されており、江の島の歴史を学べるパネルなども展示されている。
恋人の丘 龍恋の鐘 【住】神奈川県藤沢市江の島2丁目5
稚児ヶ淵 【住】神奈川県藤沢市江の島2丁目5-2
江の島岩屋 【住】神奈川県藤沢市江の島2丁目5 ☎︎0466-22-4141 【時】9:00~16:00(季節によって異なる) 【料】高校生以上500円、小・中学生200円、小学生以下無料
弁財天仲見世通り
食べ歩きやお土産も充実
弁財天仲見世通りの「あさひ本店」は、常に行列が絶えない島随一の人気店。元祖タコせんべいは、新鮮なタコをプレスして焼き上げるのでサクサクで香ばしいのが特徴。口当たりも軽くあっという間に食べ終えてしまうほどの美味しさだ。タコのほかにもエビせんべいもあり、コッキング苑の近くにも売店を構えている。
御岩屋道通りに店を構える「中村屋羊羹店」は、饅頭や羊羹といった和菓子が充実。中でも、明治35年に考案された元祖海苔羊羹は、最高級の白いんげん餡に青海苔をほどよく混ぜ合わせた上品かつ独特な風味は、お土産に最適だ。
中村屋羊羹 【住】神奈川県藤沢市江の島2-5-25 ☎︎0466-22-4214 【時】9:00~18:00(天候によって変動有) 【休】不定休
新江の島水族館
相模湾の環境を再現
今回紹介した江の島のスポットは、半日あればゆとりをもって楽しむことができる。一日を通して湘南を満喫するには鎌倉観光も良いが、江の島の対岸にある「新江の島水族館」は家族で楽しめるスポットとして人気だ。
地元の海をさまざまな角度から紹介し、館内で一番大きな「相模湾大水槽」は相模湾の環境を再現し、生息する2万匹の魚たちの美しい群泳の中で、毎日2つのダイビングショーが楽しめる。
また、60年以上の飼育研究と展示手法で培われた経験を活かしたクラゲ展示は、「癒し」と「学び」の2つのエリアで構成され、常時40種以上のクラゲを観察できる。ペンギンやアザラシ、カワウソ、カピバラなどの愛らしい姿や、ウミガメののんびり泳ぐ姿から癒しのひと時を演出している。