【第40回JAIA輸入車試乗会レポート】奇をてらわない優等性タイプ アウディ・A1

試乗レポート

A1は、アウディのラインアップで最小となるコンパクトカーだ。試乗した35TFSIアドバンスドのボディサイズは全長4040×全幅1740×全高1435mmで、全幅は1695mmを超えるので3ナンバーサイズにはなるが、全長はトヨタ・アクアと同程度。その全幅も最近のモデルとしては小さく抑えられており、国内の道路環境にもマッチしたモデルである。パワートレーンは最高出力150psを発揮する1.5Lターボエンジンを搭載し、トランスミッションは7速Sトロニックが組み合わされている。

乗り味はスッキリとしていてクリア。余計な動きや振動はもちろん、エンジン音を含めた過剰な演出も感じることがない。操舵感やブレーキのフィーリングは若干重めだが、操作量に対して素直なので扱いやすく、自然な感覚でドライブに集中できる。エンジンのパワーも余裕があり、街中でも高速道路でもキビキビと走ることが可能である。が、かといって非日常的な大パワーかといえばそこまでではなく、過不足ない範囲といえるだろう。乗り心地としてはやや硬めだが不快なほどではなく、大きなツキ上げも感じることはなかった。

一方で室内のパッケージも満足できる。コンパクトながら後席、荷室もきちんとスペースが確保されているので、日常で困ることはないだろう。もちろんあまり余裕はないが、ファミリーカーとしても使うことができるスペースを確保している。

インパネ周りの操作系も、奇をてらわず正攻法にまとめた印象。多くの機能操作をディスプレイ上に集約するモデルが多くなっている中で、空調等は独立したボタン&ツマミ方式となっており、見た目は新鮮さに欠ける。だが実際の扱いやすさでは、こちらの方が操作しやすいのが実際のところだ。

というわけで、このA1は実直な優等生タイプ。見た目の豪華さを求めるのではなく、日常の心地よさ、質の高さを求めるユーザーに最適なモデルといえるだろう。国産コンパクトカーからの乗り換えにもオススメできる実力モデルだ。

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