オリックス自動車と北九州市交通局は、「バス安全運行強化に向けた共同実証実験基本協定」を締結し、2020年2月上旬から2021年1月下旬まで、「AI等を活用した高齢ドライバー見守りシステム」の構築に向けた実証実験を実施すると発表した。
公営交通バス事業者でのAIなど最新技術を活用した、ヒューマンリスクによる交通事故を未然防止・軽減させる取り組みは全国初。今回の実証実験では、北九州市営バスの車両にオリックス自動車のテレマティクスサービス「e-テレマ」と、Nauto社提供のAI搭載通信型ドライブレコーダー「ナウト」を導入する。「e-テレマ」は、車両の運行状況や危険挙動(速度超過・急加速・急減速)を可視化、「ナウト」はわき見や車間距離不足などを検知してリアルタイムで警告を発し、運転者の安全運転をサポートする。
北九州市営バスでは、大型自動車運転二種免許保有者の減少などが影響し、バス運転者の約45%が60歳以上となり高齢化が進んでいる。運転者の高齢化は、運転時の判断力・操作能力の低下のリスクを抱えており、バス運行の安全性や事業そのものの存続に関わる重大な課題となっている。
今回の実証実験では、運行車両の動向や運転者の運転状況を、最新技術を通じて可視化し、それにより得られたデータを基に「北九州市営バス版安全運転支援システム」を構築するほか、各運転者の特性に合わせた研修プログラムの設計など独自の安全運転指導に活用することで、高齢社会においてもバスの安全運行を継続していくことを目的としている。