遠藤徹の業界ココに注目!ニューモデルの評価が分かれる要因

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昨年9月以降、今年2月まで数多くのニューモデルが登場している。新規、フル&マイナーチェンジ、追加モデルの設定とその内容はバラエティに富んでいる。

マーケットニーズにマッチし、商品性が高ければ好調に売れるのは当然といえる。ただ、これ以外に見逃せないのは価格政策である。いくらクオリティが高く、商品力がハイレベルでもライバル車に比べて20万円も50万円も高い価格設定で、車両本体からの値引きゼロを強調したのではユーザーは納得しない。

その結果がこの半年間のニューモデル評価の明暗になって、具現化しているともいえる。設定価格の高さを残価設定クレジットの設定で残す価値を大きくして、リセールバリューの高さを強調してカバーしようとの試みは、納得できないこともない。

しかしながらこれを保証し、3年後、5年後の精算時に予定通りにうまく行くとは限らない。ライバル他社が同じ作戦で対応したら競争に勝てない可能性がある。実際はあまり価格が高いので販売でライバル車に大きく引き離されており、今後の販売維持が難しい可能性も出始めている。数年後の世代交代期に次期型の開発に支障が出る可能性もある。

早急にできる方策はある。例えば、買い得の特別仕様車を設定して売り出すことだ。最近ニーズが高い装備品はナビ、ETC、ドライブレコーダー、ボディコートなどだ。これらをセットにして格安の価格設定で売り出す。安全デバイスをセットに入れるのもひとつの手かも知れない。

安さよりも装備を充実させて買い得感を強調した価格政策がお勧めである。マイナス加速がつかないうちに早急に手を打たないと手遅れになる。

 

遠藤徹プロフィール

専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊

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