日産は、車両の静粛性の向上と軽量化を可能にする新しい遮音材「音響メタマテリアル」をCES 2020に出展すると発表した。
今回開発された遮音材は、周期的な格子構造とフィルムを組み合わせたシンプルな構造により、音が伝わる際の空気の振動状態を材料が制御し、音の透過を抑制することで、ロードノイズやエンジン音など、車内に入ってくる自動車特有の騒音を広い周波数帯(500-1200Hz)で効果的に遮ることが可能となっている。
また、日産は、現在この周波数帯の遮音には、主にゴム板などの重い板材が使われており、今回の遮音材は、今までのこうした素材と比較して、重量が約4分の1と軽量でありながら、同等の遮音効果を実現している。さらに、同遮音材はシンプルな構造のため、量産化が実現すれば、従来の遮音材に対し、同等あるいはそれ以上の価格競争力を実現する可能性を秘めているため、将来的には、車両重量への影響やコスト面から、これまで遮音材の使用が制限されていた車種にも幅広く活用することが期待されると述べている。
<日産の総合研究所で「音響メタマテリアル」の開発を担当するエンジニアの三浦 進氏へのインタビュー>