トヨタはこのほど2020年暦年の販売、生産計画を発表した。この中で国内販売はトヨタが156万台、2019年実績見込み比4%減、ダイハツ64万台、同3%減と、いずれもマイナスの計画となっている。
消費税の引き上げや2019年に比べ、投入する新型車が少ないことなどを要因していると思われる。確かに今年は10月以降、新車販売は大幅なマイナス推移となっているので、来年は厳しくなるとの見方はあっているかも知れない。
ただ、トヨタとダイハツのニューモデル展開を分析すると、もっとマイナス幅が小さくなるか、場合によっては微増になるかも知れない状況も予想できる。
19年11月5日に発表、発売した新型コンパクトSUVの「トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキー」は、計画を大幅に上回り両モデル合わせて月販1万台を超えるほどのヒットモデルとなっている。20年2月10日に発売する、新型ヤリスも先行予約段階で好調な出足となっており月販1万台を突破する勢いが感じられる。
これらが20年にフル販売に入れば、かなりの貢献が期待できる。トヨタは19年9月にカローラをフルモデルチェンジし、以降やはり月販1万台超えで登録車のトップセラーになっている。20年のフル販売では19年実績を超えることは濃厚といえる。
一方、ダイハツは19年7月にフルモデルチェンジしたタントが、好調な販売で登録車と軽自動車合わせた販売台数でトップセラーに浮上している。これも通年で見れば19年実績を上回る可能性が強い。これに前述の新型ロッキーのフル販売が加わるのだから、ダイハツもトヨタ同様に期待できると予想されるのである。
遠藤徹プロフィール
専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊