トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)は、今年7月に移転した新オフィスの全てのエリアを本格稼働すると発表した。オフィススペースだけでなく、教育の場である「Dojo(道場)」、健康的な食事を提供するダイニングスペース、心身ともにリフレッシュできるスペースなど、エンジニアのパフォーマンスを最大限に引き出す環境を整え、さらなるイノベーションを目指すとしている。また、日本橋というロケーションを活かし、地域住民、最先端の技術開発に取り組む世界中のスタートアップ企業、ITやAIに関心を持つ次世代との繋がりをさらに強めていくと述べている。
TRI-ADは、トヨタの自動運転の取り組みに関わるソフトウェアの先行開発をおこなっており、世界で最も安全な自動運転車を作ること、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)の研究成果とトヨタグループ内の研究・先行開発の連携強化をミッションとしている。自動運転のソフトウェア開発に加え、データハンドリング技術の強化、研究から製品化まで一気通貫のソフトウェア開発の実現も担っている。
新オフィスは、「AI PALETTE」をメインコンセプトとして作られ、「AI」は人工知能・愛を意味し、最先端でありながら人を中心としていること示し、「PALETTE」は多様な社員が共存していることを示しているとのこと。「Inspiration(多彩なインスピレーションを創出する)」、「High Productivity(高い生産性を実現する)」、「Happy Work(幸せに活き活きと仕事をする)」を3つの柱とし、「Hello New Office Workshop」を定期的に開催し、そこで出た社員のアイデアを多数取り入れた場作りをしてきており、今後も、より快適なオフィス環境を社員とともに作りあげていくと述べた。
また、TRI-ADはシリコンバレーのイノベーションと精緻な日本のものづくりを繋ぎ、安全なモビリティ社会の実現をめざすとともに、日本橋という立地を生かし、人やテクノロジー、カルチャーの「架け橋」になりたいと考えており、その活動の一環として、社内に「Dojo(道場)」を開いている。ここでは、目まぐるしく変化する環境においても、常に必要とされるマインドセットとスキルを身につけられるプログラムを用意するとともに、今後社外にも公開していく予定としている。
さらに、未来のモビリティをともに実現する次世代の人々との交流、育成を目的として、AIエッジコンテスト、自動運転AIチャレンジの協賛、未踏アドバンスト事業にプロジェクトマネージャーとして参画、エンジニアによる国内外の学生向けのレクチャーなど、さまざまな活動を実施している。
2020年1月18日、19日には、18歳以下の中高生を対象とした競技会形式の産学連携AI教育プロジェクト「U-18シンギュラリティバトルクエスト」に協賛し、同競技会の決勝戦をTRI-ADで実施する。基礎的なAIの開発体験を通してAIをより身近に感じてもらいながら、近未来の担い手である中高生の「AIリテラシー」の向上と「AIアスリート」の育成を支援していくと述べている。
【新オフィスで新たにオープンしたエリア】
<Inspiration>
- エントランス : エントランスに流れる川は車の製造過程で出たガラスの廃材からできており、社員の結束を象徴する1000個のカンパニーロゴを組み合わせたアートウォールを横に橋を渡ると、30メートルの巨大スクリーンと3Dサウンドが来場者を出迎える。
<High Productivity>
- 会議エリア : 日本橋の路地を模した会議エリアは、暖簾をくぐることで会議に集中する気持ちを整えることができ、また、路地の奥にはPITと呼ばれる会議の前後に気軽に話せる場があり、議論を深め生産性を高める。和室会議室など、会議室は全て異なる仕様になっており、多様な会議室から目的に合わせて選択できる。
- プラザ : 眺めの良い景色と人工芝に囲まれたスペースでは、仕事から離れてハンモックやクッションにもたれながら考えることで、仕事に活かせる発想を得ることができる。
- リチャージルーム : マッサージチェアなどに座ってリラックスすることで、フレッシュなアイデアを生み出すことができる。
<Happy Work>
- フードストリート : ベジタリアンフードや丼ものなど個性的な4つのレストランとベーカリーがヘルシーでおいしい食事を提供。心も体も健康に保つことができる。
- ダイニングアベニュー、カフェ&ラウンジ : デザインが異なるテーブルや椅子が並ぶユニークなスペースで、目的に応じて選び、社内外の人との交流を深めることができる。卓球台になるテーブルも2台備えている。