アルピーヌ・ジャポンは、フレンチスポーツカー「アルピーヌ A110」のスタイリングをよりダイナミックにし、パワートレーンとシャシーの改良によってスポーツ性能を向上した「アルピーヌ A110S」を、11月21日に発表した。
【最高出力292psを発生する1.8Lターボエンジンを搭載】
「A110S」は、「A110」に比べてエンジンの最高出力を40ps向上させ、「A110」シリーズ中最も速くパワフルな モデルとなっている。エンジン自体は同じ1.8L 4気筒を採用しているが、パフォーマンス向上のために、ターボ チャージャーのブースト圧は0.4bar増加している。6,420rpmで292psの最高出力を発生し、「A110」よりも回転数で約420rpm高くなる。2,000rpmから6,420rpmで最大トルクは320Nmを発生し、「A110」よりも1,420rpmトルクバンドが広くなっている。
また、エンジンパワーは、電子制御7速AT(7DCT)を介して後輪に送られる一方、ブレーキの機構を使う電子制御トルク配分システムにより、最小限のホイールスピンでコーナーから素早く 脱出することが可能となっている。最高出力の向上により、パワーウェイトレシオは「A110」の4.3kg/psに対し、3.8kg/psへと向上した。0-100km/hのタイムは4.4秒となっている。
【スポーツ性能を際立たせるエクステリアとインテリア】
今回発表された「A110S」は、「A110」とは異なる専用デザインが施されており、「A110」のリアピラーに装着されるトリコロールエンブレムは、「A110S」ではカーボンファイバー(黒)と オレンジに、フロントとリアの「ALPINE」のエンブレムはブラックに変更され、ブレーキ キャリパーはオレンジに塗装されている。低いシート高、「A110S」専用となるマット仕上げのボディカラー グリ トネール マットなどがスポーツ性を高めている。
また、室内のステッチカラーは、「A110」のブルーに対して、「A110S」ではオレンジが採用されている。黒いディナミカが使用されたルーフライニング、サンバイザー、ドア内張が採用され、ディナミカを使用したモノコックバケットシートは、重量がわずか13.1kgのサベルト製で、レザーと ディナミカのコンビのステアリングホイール上端にはオレンジのマーカーが入れられ、ステアリングホイール全体にはオレンジのステッチが施されているほか、ペダルとフットレストは軽量なアルミニウムを採用した。
さらに、室内にはカーボンファイバーが効果的に配され、ボディに取り付けられたものと同じオレンジ色を配したエンブレムも装着されている。ルーフには、スポーツ性を際立たせる光沢仕上げのカーボンルーフが採用されているほか、フォーカルのオーディオシステムも標準装備している。
【専用チューニングにより正確なハンドリングと動的性能を実現したシャシー】
「A110S」のコア部分は、「A110」と同様の軽量でコンパクトなアルミニウムボディ構造を採用しているが、シャシーに施された専用チューニングにより、よりダイナミックなドライビングが楽しめる モデルとなっている。新しいスプリングは、レートがフロントで30N/mm から47N/mm に、リアが60N/mm から90N/mm に高められ、ダンパーもそれに応じてチューニングされている。加えて、アンチロールバーの剛性も、フロントが17N/mmから25N/mmに、重量を最小限に抑えるため中空構造を持つリアのアンチロールバーも10N/mmから15N/mmに強化されている。
また、最低地上高が4mm低められ、車の重心が最適化されたことで、優れた高速安定性と素早いステアリングレスポンスを実現した。ダンパーには、専用チューニングされたバンプストップラバーを廃したハイドロリック・コンプレッション・ストップを採用している。このモデルの性格に合わせ込んだシャシーのセットアップにより、高いレベルの正確なハンドリングと動的性能が達成された。さらに、新しいホイールとタイヤ(フロント215mm、リア245mm)、専用構造・専用コンパウンドのミシュランパイロットスポーツ4により、優れたメカニカルグリップを実現した。
新しいタイヤと、 シャシーの大幅な見直しにより、スペック上もドライバーの感覚においても、他に類を見ない ダイナミックな性能を獲得し、それに合わせて、横滑り防止装置(ESC)は、特にトラックモードでは、最高の正確性と安定性のためにプログラムされている。ブレーキには、強力なブレンボ製ブレーキキャリパーと、直径320mmのバイマテリアルディスクが採用されている。
<価格(消費税込)>
899万円