トヨタは、スーパーフォーミュラ最終戦で、1ポイント差のランキング2位で臨んだニック・キャシディ（VANTELIN TEAM TOM’S）選手が2位フィニッシュを果たし、逆転で自身シリーズ参戦3年目にして悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。
全日本スーパーフォーミュラ選手権の今季最終戦となる第7戦「第18回JAF鈴鹿グランプリ」が、10月26日（土）、27日（日）の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。タイトル獲得の可能性を残して最終戦に臨んだのは5人で、最終戦は通常のポイントに加え、優勝者に3点のボーナスポイントが加えられるため、ポールポジションと加えて最大14点が獲得可能となる。トヨタ勢では、開幕戦で勝利、第4、第5戦で3位表彰台を獲得しているキャシディ選手が首位と1ポイント差の2位につけており、キャシディ選手を含むランキング上位3名は、今大会優勝すれば自力でのチャンピオン獲得となる。また、前戦初優勝を飾った山下 健太（KONDO RACING）選手、未勝利ながら2位2回の小林 可夢偉（carrozzeria Team KCMG）選手もランキング4位、5位で逆転タイトルへの望みをかけて最終戦へと挑んだ。
27日の決勝は、好天、気温23度、路面温度26度という好コンディションでスタートが切られた。6番手スタートのキャシディ選手は、ソフトタイヤでのスタートを選択し、スタートで3番手の車両がエンジンストールしひとつポジションを上げると、2周目にミディアムタイヤの前車をパスし4位となった。タイトルを争う山本 尚貴（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）選手のすぐ後につけると、3周目のシケインでパスし、3位へと浮上した。
規定の7周目を終えたところで、ミディアムタイヤ装着車両は一斉にピットへ向かい、ソフトタイヤへ交換。これでソフトタイヤでのスタートからそのまま走り続けるキャシディ選手は2位へとポジションアップし、キャシディ選手と共にソフトタイヤでスタートしタイヤを交換しないまま走り続ける作戦を採った関口選手と石浦選手が3位、4位へポジションアップした。30周目過ぎには、タイヤ交換組との差を50秒以上に拡げることに成功しました。3位の関口選手が29周終了時点、石浦選手は30周、キャシディ選手は32周終了でピットインし、そのポジションを最後まで守り切って2位で完走した。タイトルを争う山本選手が5位でチェッカーを受けたことで、キャシディ選手が逆転でのシリーズチャンピオン獲得を果たした。関口選手は15番手スタートから11ポジションアップの4位、石浦選手は14ポジションアップの6位と、順位を大きく上げており、平川選手も8位でポイントを獲得した。
キャシディ選手は、スーパーフォーミュラ参戦3年目にして悲願のタイトル獲得となり、トヨタにとっては、2017年の石浦選手以来、1シーズンぶりのタイトル奪還となった。国内トップフォーミュラでの外国人ドライバーチャンピオンは、2011年のアンドレ・ロッテラー選手以来（当時はフォーミュラ・ニッポン）で、キャシディ選手はスーパーフォーミュラとなってからは初の外国人チャンピオン、そして新型車両SF19での最初のチャンピオンにも輝いた。
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VANTELIN TEAM TOM’S 37号車 ドライバー ニック・キャシディ選手は、「何と言って良いか、言葉が出ません。ピットに帰ってくるまで、ずっと泣いていて、無線でも何を言っていたか分かりません。タフなシーズンでした。我々は常に最速ではありませんでしたが、素晴らしいチームと共にレースで強さを見せ、それが結果に繋がりました。これで私自身、日本で3つのタイトルを獲得することができましたが、その全てがトムスチームと共に得たもので、彼らは家族のような存在です。その彼らのためにも、チャンピオンを獲得できて本当に良かったです。ずっと応援してくれたファンの皆様にも感謝しています」とコメントした。
