「第46回東京モーターショー2019」が2019年10月23日に開幕しました。開催期間は約2週間で10月25日から11月4日まで行われます。主に国内メーカーを中心に、最新技術を搭載した新型車や未来のコンセプトカーが各社から披露されています。
今回はトヨタが目指す「人」を中心とした未来の暮らしをテーマにした会場ブースでは、どんな未来のモビリティが展示されているのか、東京モーターショー2019にて取材してきましたのでレポートをお届けします。
▪️トヨタが実現したい未来のモビリティ社会とは
トヨタが目指しているのは、「人」を中心としたモビリティ社会の実現です。
今、この瞬間も世界では自動化に向けて日々急激な進化を続けています。人間がロボットに使われる時代が来るかもしれない、そんな想像をすることもあるでしょう。
そんな未来への不安に対して、トヨタが出した答えは「人」を中心としたモビリティ社会の実現です。あくまで「人」を中心に置き、「人」が中心に居続けられる未来を描いています。
豊田章男社長が登壇されたプレスで特に印象的だったのは、「トヨタブースに来年発売されるクルマはひとつもありません。ここにあるのは社会と街が繋がり、人に移動やサービスを提供するモビリティばかりです。」というフレーズでした。
2018年10月に発表された「100年に一度の大変革の時代を生き抜くために、トヨタはモビリティカンパニーを目指す」という想いは、確かに東京モーターショー2019で表現されています。
会場では近い未来で体験できるものから、数十年後に活躍するであろうモビリティサービスまで、様々なモノが展示されていました。
もちろん、まもなく発売される新車や近い未来のコンセプトカーの展示についても別会場にて見ることが可能です。
▪️TOYOTA e-Palette(イーパレット)は近い未来のモビリティ
いよいよ開催が来年に迫った、東京オリンピック・東京パラリンピック。トヨタはワクワクするモビリティとして、TOYOTA e-Palette(イーパレット)を展開していきます。
東京オリンピック・東京パラリンピックでは、TOYOTA e-Palette(イーパレット)が選手村など選手の移動手段として活躍を想定されています。また、オリンピック終了後はオフィスやお店、ホテル、様々なサービスになって、私たちの前に移動してきてくれるようになるとのことです。
筆者も今からワクワクしているユーザーの一人です。もちろん移動手段としても期待していますが、どちらかというその後のサービス展開がとても気になります。移動販売のコンビニのような使い方も考えられるようで楽しみです。
▪️未来のモビリティは所有するものではなくなるのか
CASEと言われる「コネクティッド」「シェアリング」「自動化」「電動化」の分野において急速な進化が進み、未来のモビリティは所有するものではなく、共有するものになるのではないかと言われています。
トヨタの答えは、共有するモビリティがあるからこそ、人はよりパーソナルなモビリティを所有することになるというものでした。会場では、未来の所有するモビリティとしてコンセプトカー「TOYOTA e-RACER」が展示されていました。
豊田章男社長は、「車の誕生で、馬が車に置き換わりました。しかし、競走馬は残りました。馬は人と心を通わせることができる、馬は乗る人によってかけがいのない存在、車もAIの進化により、人と心を通わせる存在になる。未来の車は馬のような存在になる。」と続け、
「TOYOTA e-Paletteのようなみんなで共有するモビリティが馬車なら、TOYOTA e-RACERのような個人で所有するモビリティは愛馬ということになる」とも伝えています。
トヨタではシェアする未来のモビリティばかりを考えるのではなく、今と同じように所有する欲求に対しても向き合っていることが分かります。
現代でも続いている馬車と愛馬が共存する社会は、未来のモビリティ社会でもそれは変わらないということです。
▪️AIと会話することができるクルマは来年登場する
未来のモビリティというと、まだ数十年先の話と聞こえるかもしれませんが、まもなく登場するクルマも東京モーターショー2019では展示されていました。
その名は「LQ」。
AIエージェント「YUI」やレベル4の自動運転機能を搭載する4人乗りEVです。実際にAIとの会話ができたり、表情や動作から感情や眠気などの状態を推定してくれたりもできるそうです。
まさに、トヨタが目指す「人」を中心としたモビリティカーです。会場では「LQ」に乗ることはできませんでしたが、VRでAIを使った旅行を楽しめるデモ体験が出来ました。
デモでは事前にいくつかの質問に答えることで、より最適な興味ある内容を想定、判断してくれて旅行を進めてくれるという内容となっています。LQのコンセプトが、「移動そのものが感動をもたらすものであってほしい」というものだけあって、実際にAIが提案してくれる旅行も素直に楽しそうだなと感じました。
また、ドコモとの連携で5G基地局を設置し、高速かつ安定した通信環境の提供したりすることでスマートフォンなどクルマ以外の端末や他のサービスとの連携サポートも進めていくことも考えているとのことです。
2020年6月以降に試乗会が行われる予定もあり、未来を近くに感じられるモビリティはもうすぐそこまで迫ってきています。
▪️未来のモビリティに興味を持つことから始めよう
東京モーターショー2019のトヨタブースでは、未来のモビリティはどんなことができるようになるのか、リアリティをもって知ることができます。
私たちユーザーは数十年後、トヨタが語る未来のモビリティを実際に体験することになるでしょう。しかし、その時が来たらではなく、ぜひ今体験してみてください。未来のモビリティに興味を持つことで、きっと新しい未来へ飛び込めるキッカケにもなってくれるはずです。
筆者は、未来のモビリティに触れたことでワクワクが止まりません。
人を中心とした未来の暮らしを、皆さんもトヨタブースでぜひ体感してみてください。
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[ちえほん]
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