アウディ ジャパンは8月24日、フラッグシップスポーツモデル R8のマイナーチェンジを実施すると共に、V10エンジン10周年記念限定モデル「R8 Decennium(デセニウム)」を新設定。さらにA5スポーツバックに初のRSモデルも設定した。
●最強のRSモデル「アウディR8クーペ/スパイダーV10パフォーマンスクワトロ」
2016年に2世代目へとモデルチェンジしたAudi R8 クーペ/ スパイダー がより大きく進化した。
最大の特徴となる自然吸気 V10 5.2ℓエンジンは、7速Sトロニックトランスミッションの組み合わせで、Audi 市販モデルとして過去最高の最高出力620psを発揮する。
電子制御油圧多板クラッチ式クワトロフルタイム4輪駆動システムは、運転状況に応じて駆動トルクを自動で分配し、極限の状況では前輪または後輪のいずれかへ100%のトルクを伝達することも可能。また、低負荷時にはエンジンの片バンクを休止させるシリンダーオンデマンド(COD)を採用した。アクセルペダルをオフにしたときにはエンジンを駆動系から切り離すコースティングモードとあわせて優れた環境性能も両立した。
エクステリアは、前後にLEDライトを標準装備。さらにLED ハイビームの約2倍の照射距離を誇るレーザーハイビームや前後にダイナミックターンインディケーターを搭載した。フロントまわりはロー&ワイドになったシングルフレームグリル、その上部にはSport quattroを彷彿させる細いスリットを備え、縦に分割されたフロントサイドのエアインレットなどが、より一層シャープな印象を与える。
インテリアはフォーミュラカーをイメージさせる モノポストデザイン を採用することで、ドライバーとマシンの一体感を高めた。メーターパネル内には12.3インチのTFTディスプレイを配置し、DIS (ドライバーインフォメーションシステム)、地図表示などの機能を統合したアウディ バーチャル コックピットを標準装備している。
また、Audi R8 スパイダーの電動式ソフトトップは、遮音性に優れたクロス製で、フレームにはアルミニウムと鋳造マグネシウムを採用、トップコンパートメントカバーはCFRP製となっている。開閉に要する時間は約20秒で50km/h以下であれば走行中の操作も可能となっている。
同社は、両モデルを最強のRSモデルとしてアウディR8クーペ/スパイダーV10パフォーマンスクワトロに名称も変更。8月24日から予約受付を開始し、デリバリーは今年の12月を予定している。価格はクーペが3001万円、スパイダーが3146万円とした。
●V10エンジンデビュー10周年限定モデル
アウディR8デセニウムは、クーペモデルのR8 V10パフォーマンス5.2 FSIクワトロS トロニックをベースに、ダイナミックステアリングをはじめ、数々の特別装備を施した。
エクステリアは、デイトナグレーマットエフェクトのボディカラーにハイグロスブラックスタイルパッケージ(グロスブラックのフロントスポイラー、サイドシル、ディフューザー等)を組み合わせた。さらにフロントフード上のフォーリングスのバッジもブラックとなるほか、アルミホイールはマットブロンズの20インチで、インテークマニホールドも同様にマットブロンズカラーに彩られている。
インテリアでは、デセニウムのロゴをセンターコンソールやドアなどに配した。中でも、グロスカーボンファイバー仕上げが施されたセンターコンソールのロゴは、アウディの特許による部分マット仕上げを特徴として、素材の表面に特殊な粉末を使用して、数千分の1ミリ単位で粗面化処理が施されている。
このほかにも、電動調整機能付きファインナッパレザーダイヤモンドスティッチングスポーツシートや、デコラティブパネルグロスカーボン、アルカンターラヘッドライニングなどを装備する。
デセニウムは世界限定222台のみ生産され、日本国内の割当は10台の予定。左ハンドル仕様のみの設定となっている。発売は8月24日から、価格は3091万円。なお、車名のデセニウムはラテン語に由来する言葉で「10年」を意味する。
●アウディA5RSスポーツバック
アウディRS 5 スポーツバックは、R8やRS 6など、アウディのハイエンドスポーツモデルの開発拠点であるAudi Sport GmbHが手がけたAudi A5シリーズのトップモデル。
パワーユニットは、最高出力331kW(450PS)/最大トルク600Nmを発揮する新開発の2.9ℓV6 ツインターボ2.9 TFSIを搭載。8 速ティプトロニックトランスミッションとquattro (フルタイム4WDシステム)を組み合わせた。
DRC(ダイナミック・ライド・コントロール)付スポーツサスペンションプラスや、さらにリヤアクスルには左右の駆動力配分を最適化するスポーツディファレンシャルを標準装備とすることでパワーを確実に路面に伝達し、優れた高速安定性と操縦安定性を実現した。さらにアウディ独自の燃焼方式であるBサイクルの採用により、11.2km/ℓ(JC08モード)の低燃費も達成している。
エクステリアは、下部にquattroのロゴを配した専用のシングルフレームグリルや大型のエアインレット、さらに専用の前後バンパーやリヤディフューザーを採用することで、RSモデルらしいスポーティさを強調する。
またAudi quattroを彷彿とさせるブリスターフェンダーもRS 5 Sportbackの特徴。全幅は標準モデルに比べて15mm拡大、20インチの5アームトラペゾイダルデザイン グロスアンスラサイト ブラックポリッシュト アルミホイールを標準装備。強力なセラミックブレーキもオプション設定とした。
インテリアは質感を高めながらスポーティさを一層強調する。ダイヤモンドステッチングが施されたファインナッパレザーのSスポーツシートや、アルミニウムレースのデコラティブパネルを配した。またステアリングやセレクターレバー、センタコンソールサイドにアルカンターラを採用し、シートベルトも合わせて赤いステッチが施されたRSデザインパッケージをオプションで用意している。
インフォテイメントシステムも最新。アウディバーチャルコックピットを標準装備したほか、アウディプレセンスシティ(衝突被害軽減セーフティシステム)など数々の最新安全技術とアシスタンスシステムも搭載。発売は8月27日から、価格は1263万円。