【ワンダー速報】「新型タントはN-BOXを越えたか?!」 N-BOXオーナーが新型タント&タントカスタムを試乗レビュー!

試乗レポート

新型タントカスタムRS&ノーマルX乗り比べ!

「はいどうもワンソクtubeです!」でお馴染みの(?)、クルマ買うチューバーことワンダー速報&ワンソクtube管理人のドラヨスです。

今回試乗させていただいたのは、20197月にフルモデルチェンジしたダイハツのタントです。私自身、ホンダN-BOXカスタムターボに2年間乗っているホンダの軽自動車オーナーですので、同じカテゴリーの新型タントがどこが優れ、どこが劣るのか、レポートします!

エクステリア、ノーマルは原点回帰、カスタムは角丸基調に

まず新型タントのエクステリアから見ていきましょう。ノーマルのタントは初代タントを彷彿とさせる、シンプルでプレーンなデザインに回帰しています。水平基調で切れ長のヘッドライトは全グレードでフルLEDなのはとても良いですね。このあたりは全グレードでフルLEDヘッドライトのN-BOXを意識していると思われます。

ノーマルのタントは初代タントを彷彿とさせるシンプルでプレーンなデザインに回帰

 

新型タントのカスタムでは、先代までの直線基調のド派手な顔つきから一転、角が丸められたラウンド基調のフロントマスクになりました。ブラックアウトされたグリルはレクサスのスピンドルグリルのように末広がりになっていて迫力はあります。

カスタムでは先代までの直線基調のド派手な顔つきから一転、角が丸められたラウンド基調に

 

今回の新型タントカスタムでは、軽自動車初となる、対向車の部分だけ遮光するアダプティブハイビームシステムが採用されました。これはN-BOXやデイズにもない装備です。さらにウインカーは流れるタイプのシーケンシャルウインカーになっています。

一方で気になったのは、リアコンビネーションランプです。N-BOXカスタムやN-WGNカスタムではリアコンビネーションランプもフルLEDになっているのに対して、新型タントカスタムでは、バックランプやリアウインカーはバルブ式でフルLEDにはなっていませんでした。

今回の新型タントカスタムでは、ツートンカラー(75,600円)を選択するとボディサイドにガーニッシュが装備されたり、前後バンパーにガーニッシュを追加するスタイルパック(25,920円)なども用意され、好みに応じてエクステリアをカスタマイズできる装備が用意されています。

カスタムの内外装インプレッションはYoutubeでも配信していますので、動画でも併せて御覧ください。

 

インテリアは他にはない魅力がいっぱい

続いてはインテリアですが、タントと言えば助手席側のピラーレス大開口のミラクルオープンドアです。これはライバルにもないタント独自の魅力ですね。

ミラクルオープンドアはライバルにはない魅力

ホンダのN-VANが同様のピラーレス大開口のドアを採用していますが、N-VANはどちらかと言うと貨物用で運転席以外のシートが人を乗せるには適さない造りになっているので、実質的なライバルにはならないでしょう。

タントはミントグリーンのアクセントカラーが印象的なインテリア

 

黒基調でシックなカスタムのインテリア

今回のタントでは、後席の座り心地が格段に良くなっています。後席の座面がダイブダウンして格納できるN-BOXでは、格納を前提に座面が薄いので座り心地が硬いですが、新型タントではシートのクッション厚が増しているので座り心地が良いです。ただしそれにより格納性が犠牲になっているので、先代タントの2段式で低く折り畳む機構がなくなり、後席を畳んでもラゲッジとはフラットにならず段差が発生するようになりました。

最上位グレードのカスタムRSでも、ドアトリムはすべてハードプラなのは質感的にライバルに劣る印象

 

さらに特筆すべきなのが、世界初となる運転席のロングスライド機構です。最大で540mmものロングスライドが可能となり、助手席を前へスライドさせておけば、運転席と後席間のウォークスルーができるようになりました。N-BOXの助手席スーパースライドシートでも同様の前後席間ウォークスルーが可能ですが、タントのほうが運転席のスライド量が多いので、ウォークスルーが容易な印象です。

最大で540mmのロングスライドが可能な運転席のおかげで前後席間の移動も容易に。助手席前倒しによるテーブル機能は廃止

一方で新型タントで失った便利機能もあり、先代では助手席を前に倒すと、シートバックがテーブルになる機能がありましたが、それは廃止されました。個人的にはとても便利な機能だと思っていたのですが、助手席の前倒し機能があると、リクライニング性に問題があるとのことで、今回は助手席の座り心地を優先してテーブル機能は廃止したとのことでした。

その代わり、コンフォータブルパック(FF37,800円、4WD32,400円)を装備すれば、運転席・助手席に折りたたみ式のシートバックテーブルが装備されます。コンフォータブルパックは、運転席シートリフター・360°UV&IRカットガラス・チルトステアリング・シートヒーターなどがセットになったオプションなので、必ず装備したほうが良いでしょう。

後席のクッション厚を増して座り心地が向上した反面、折り畳み性は犠牲になり、ラゲッジはフラットにはならない
新型タントをN-BOXと比較すると

私自身、N-BOXカスタムのオーナーなので、N-BOXと比較した視点で見てみると、車両本体価格はN-BOXのほうが高い分、標準でついてくる装備が充実している印象です。タントではベースグレードはマニュアルエアコンですし、マルチインフォメーションディスプレイも付きませんが、N-BOXでは全グレードでフルオートエアコン、マルチインフォメーションディスプレイも標準装備。タントでは、コンフォータブルパックになっているチルトステアリング、360°UV&IRカットガラスなども標準装備になっています。

また、タントではアダプティブクルーズコントロールやレーンキープコントロール、運転支援用のステアリングスイッチなどは、スマートクルーズパック(54,000円)を付けないと装備されません。N-BOXではホンダセンシングが全グレード標準装備なので、アダプティブクルーズコントロールやステアリングスイッチなども標準で装備されています。

ただし、これには良し悪しがあり、新型タントではオプション化することにより車両本体価格を下げているので、装備はいらないから安く済ませたいというニーズに応えられるようになっています。

カスタムRSの15インチタイヤ&ホイールでは、接地感も良くドッシリしたハンドリングに

ちなみに、新型タントL130.6万円スタート、N-BOX G HondaSensing138.5万円スタートと、8万円程度の差。

新型タントカスタムL154.9万円スタートなのに対し、N-BOXカスタムGL HondaSensing169.8万円スタートと15万円程度の差となります。タントはカスタムでもベースグレードLではマニュアルエアコンだったり、アルミホイールではなかったり、パワースライドドアではなかったりするので、単純比較はできませんが、安くエントリーできるメリットはあります。

全体的にN-BOXのほうが標準装備が充実しています。

NAモデルの走りの実力は?

今回の試乗会ではNAとターボの乗り比べをすることができました。

まずはNAモデルのXに試乗させてもらいましたが、大人3名乗車でもなかなかパワフルに走ってくれます。真夏の炎天下でエアコンもフル稼働ながら平地では発進加速もそこまで唸るようなこともなく、低回転からトルクが立ち上がり過不足なく走ることができます。

ただし、長い上り坂や、右折待ちで素早く加速したい際などは5,000rpmくらいまで一気に回るもののモアパワーが必要と感じるシーンもあるので、多人数乗車や坂の多い場所で暮らしている人などは、ターボをオススメしたいです。

大人3名乗車で坂道も多いので、高回転域まで回すことも多かったですが、感心したのはエンジンの静粛性と振動の少なさ。先日試乗したデイズのNAモデルよりも好印象です。

最高出力52PS/最大トルク60Nmを発揮するNAエンジン

特に良いなと思ったのが、一度車速に乗ってからの中間加速です。5060km/h程度まで車速が乗った後にアクセルを踏み増しすると、低回転を保ったままグイグイと加速してくれます。このダイレクト感はDCTの高いギアで加速しているような感覚すら覚えるほど。今回の新型タントでは、世界初となる、スプリットギヤを採用した新開発CVTD-CVT」が搭載されており、従来のCVTのベルト駆動だけではなく、より伝達効率の高いギアを組み込むことで力を分割(スプリット)してタイヤに伝達することで、発進時の低回転域から高い駆動力を出すことが可能とのこと。このD-CVTのおかげで、従来よりも静かで力強い印象なのかもしれません。

タント(NAモデル)の内外装・試乗インプレッションはYoutubeでも配信していますので、動画でも併せて御覧ください。

 

ターボの余裕はやはり捨てがたい

続いてはターボモデルのカスタムRSに試乗させてもらいました。同じく大人3名乗車ですが、走り始めから明らかに力強さに余裕を感じることができます。ターボモデルでは「過不足ない」という表現から、「余裕がある」という表現に変わるほど、大人3名のエアコンフル稼働状態でも坂道をグイグイ登っていきます。

カスタムならNAとターボの価格差は8万円程度なので、資金に余裕があるならターボをオススメしたい

NAモデルでは5,000rpmを越えてもなかなかスピードが上がらなかった坂道でも、ターボモデルなら3,000rpm程度でグイグイと進んでいきます。そのため、回転数が抑えられることでエンジンからの騒音もより静かに済むので、快適性も上がった印象です。

さらに、NAモデルの155/65R14タイヤでは、やや接地感が薄くステアフィールも軽い印象でしたが、カスタムRS165/55R15タイヤ&アルミホイールではドッシリとしたステアフィールになり、個人的にはこちらのほうが好みです。

最大出力64PS/最大トルク100Nmを発揮するターボエンジン

新型タントカスタムのNAとターボでは、価格差が8万円程度となるので、それならばターボをオススメしたいところです。

ノーマルだとNAとターボでは、9.7万円程度の価格差となります。

カスタム(ターボモデル)の試乗インプレッション、駐車支援システムの様子はYoutubeでも配信していますので、動画でも併せて御覧ください。

 

子育てや介護には最適のクルマ

何かとライバルであるN-BOXとは比較されてしまうタントですが、今回の新型タントでは、N-BOXにはないアダプティブハイビームや全車速対応のアダプティブクルーズコントロールなどのハイテク装備もさることながら、子育てや介護にもフォーカスしたクルマ作りになっているのが印象的でした。

ミラクルオープンドアによるベビーカーがそのまま積載できる便利さや、さらに運転席ロングスライドで、後席から運転席への移動も用意になっていたり、子育てをするファミリーには代え難い魅力になっていると思います。

在宅介護でもクルマで気軽に出かけやすくなる、グリップやターンシートなどのサポートはこれから需要が増えるはずだ

また、今回の新型タントでは、開発段階から福祉の現場と協力して、介護車両の使い勝手もさらに向上させています。在宅介護の高齢者でもクルマで気軽にお出かけができるように、乗降しやすい助手席ターンシートが選べるようになっていたりと、社会問題に対するアプローチが見られるのも好印象でした。これも、ライバルにはない魅力になっていると思います。

軽スーパーハイトワゴンの中では最も先進的となった新型タント、特に子育て世代や介護を検討している家庭には選択肢として入れてほしいクルマに仕上がっていると感じました。

 

このほか、ワンダー速報の記事はこちらから

[ドラヨス]
月間100万PVのブログ「ワンダー速報」と、月間100万再生以上のYouTubeチャンネル「ワンソクtube」の管理人。
クルマ買うチューバーを自称し、年に何台もクルマを購入してレビューするスタイルが好評。

ワンダー速報:https://wansoku.com/

Tagged