ボルボ・カー・ジャパンは7月24日、ヒルトン東京ベイ(千葉県浦安市)で、全国ボルボ正規販売店のセールススタッフを対象に、顧客満足度向上を目的としたセールス・ロールプレイコンテスト、第3回「CS-VESCファイナル(全国決勝大会)」を開催。個人部門では「ボルボスタジオ青山」の鈴木裕美さんが、チーム部門では「ボルボ・カー東名横浜」(小野寺一平さん、遠山やす子さん、萩野健一さん)が優勝した。
今回行われたCS-VESC(Customer Satisfaction-Volvo Excellent Salespersons Contest)は、顧客満足度の向上、セールススタッフの商品説明スキルの向上を目的に行われている競技大会だ。ボルボは1990年から2008年まで計10回、セールスコンテスト「VESC」を開催していたが、CS-VESCはこの内容を刷新し、新たにスタートしたもので、2015年から隔年で開催されている。旧「VESC」は個人の商品説明スキル向上を目的にしたものであったのに対し、「CS-VESC」は顧客満足度の向上を目的に、個人部門に加え、チームでのおもてなしや店舗におけるチームワークに焦点を当てたチーム部門を含む総合ロールプレイコンテストとして開催されているのが大きな特徴だ。
コンテストは、まず全国のボルボ正規販売店、約720名のスタッフが拠点全員による選考会に参加。続いて48チーム、個人60名が4月のセミファイナルに参加し、これを勝ち抜いた7チーム、個人6名が今回のファイナルに挑んだ。
競技は、個人部門と3人1組のチーム部門の2部門があり、個人は7分間、チームは20分間で行われる。実際のショールームを模した会場で、それぞれ制限時間の中で顧客対応を行い、来店時のアプローチから試乗への誘導までが審査される。ボルボスタンダードに準じた接遇マナーをベースに、来店客のニーズを把握し、車両やブランドに対する知識を踏まえたお客様目線での対応が出来ているかが評価されるというわけである。当日は午前に個人部門、午後にチーム部門の競技が行われた。
個人部門の課題は、1組のお客様の来店対応。来店者の設定は「赤いアウディA4アバントTFSIクワトロ」に乗ってきた男性で、①「ボルボに来るのは数年ぶり。実はHPを見て安全性について先進的な取り組みを使用としていることを知って、来年の車検時に乗り換えも検討したいと思って来た」、②「アウディはデザインが好きで買った。実は購入時にはボルボに来てV60の見積もりを貰った。その時はアウディのデザインが気に入って購入した。新しいV60の話を聞こうと思って来た」という状況での対応が審査された。
これに対し、6人の出場者はいずれも緊張しながらも対応。V60の魅力や特徴、ボルボの安全への取り組みなどを短い時間の中で紹介していくが、出場者には事前に伝えられていない来店者の情報が引き出せるかどうかも一つのポイント。実は来店者には「洋食レストランのオーナーシェフで、仕事で郊外の農家や道の駅、アウトレットモールなどに行くことが多く、その際は奥さんも長女も運転される」という設定がされており、ここまで聞き出せれば、より来店者に合わせた対応が可能というわけである。
一方チーム部門は、複数のお客様の来店、来電を3人で対応するというもの。最初に他店で購入したV70に乗るお客様が来店、しばらくして訪問可否の電話の上、BMWに乗る夫婦が来店、さらにもうしばらくして自社客から問い合わせの電話が入る、という設定である。
競技では、まず最初の来店者は「V70の車検見積で来店」という設定に対し、新型V60が気になるので見たい、車検見積は次回来店時に、と急遽目的を変更する。これに臨機応変に対応できるかが評価のポイントとなった。またBMWで来店した夫婦は、車両説明の途中で奥様が別行動を開始。これに他のスタッフがうまく対応できるかも問われた。また展示車の後席シートが半分倒れたままで、トノカバーも外されている、試乗車のシート位置がお客様とまったく合っていない位置になっている、などの仕掛けがしてあり、これらに気づいて対応できるか、といった点も評価ポイントとなった。
■第3回「CS-VESC」結果
コンテストは5名の審査員によって審査され、個人部門は、ボルボスタジオ青山の鈴木裕美さんが優勝となった。2位はボルボ・カー虎ノ門の白子和英さん、3位は同率でボルボ・カー成田の山岡裕一さん、ボルボ・カー杉並の和田 元さんが入賞した。
チーム部門はボルボ・カー東名横浜(小野寺一平さん、遠山やす子さん、萩野健一さん)が優勝。2位はボルボスタジオ青山(小池上七実子さん、牧之瀬宏太さん、見吉麻希さん)、3位はボルボ・カー神戸(奥村健作さん、佐藤淳之さん、東 美紀さん)が入賞。両部門の入賞者はボルボ・カーズ本社のあるスウェーデンへの海外研修旅行が贈られた。
コンテストを終え、ボルボ・カー・ジャパンの木村社長は、「各チーム、各個人それぞれの個性、持ち味が出ていたんじゃないかと思う。出場した27名全員が素晴らしい内容で、レベルが高く、誇りを持っていただきたいと思いますし、今後もボルボブランドの顧客満足度向上の活動を、この27名が引っ張っていくんだということを共有していきたいと思う。次回のCS-VESCもさらに盛り上げていきたい」と挨拶した。
またボルボ・カー・ジャパン営業本部長の菅原雅樹氏は「CS-VESCが復活してから3回目だが、回数を追うごとにレベルがアップしているなと感じている」と今回のコンテストを評価。一方で、ブランドの伝え方やお客様への気遣い、オペレーションの徹底、世間への関心の4つをポイントに今後取り組んで欲しいとし、また新たな課題としては電話応対を挙げ、「覇気がない、もしくは覇気がありすぎる」人がいたと指摘。そして「我々はまだまだCSナンバー1になる道半ば。課題に真剣に取り組み、一日でも早く輸入車CSナンバー1ブランドになることを皆さんで目指していきたい」と締めくくった。