今年上期(1~6月)の新車販売実績がまとまった。業界が年初に予想したのは年間販売では軽自動車がマイナスになるのに対して登録車は若干増というものだったが、上期は登録車が0・2%増と微増なのに対して軽自動車は1・8%増のプラスとなっている。この違いは、主に昨年後半から今年前半にかけてのニューモデル投入による新型車効果のいかんといえる。
後半のニューモデルは、さらに軽自動車の方が優位となるので、上期同様の推移で通年の結果が予想できる。軽自動車は200万台の大台回復が濃厚になりそうだ。2013年以来6年ぶりのことである。ダイハツ、ホンダ、日産、三菱のメーカー各社が有力新型車を投入しているのが大きく貢献している。
これに対して登録車はSUV、小型車などで新型車投入が見られるものの、マーケットの中心となるべきコンパクトクラス、ミニバンの主軸どころのモデルが古くなり、全体で停滞している印象がある。
後半はトヨタ、ホンダ、マツダ各社が新型車を投入するので多少期待が持てる。ただ10月から消費税10%への引き上げが濃厚になっているので、このマイナス影響が予想される。高額な登録車ほど消費税は多額で、価格が安い軽自動車は少ないから、ここでも明暗を分ける可能性がある。
また、気になるのは登録車の新型車で、小型車は発売直後の売れ行きが今一歩という印象のニューモデルが見受けられることである。成功率は軽自動車のニューモデルの方が格段に高いのである。当面、登録車はコンパクトハッチバックの新型車がリード役を果たすことになりそうだ。軽自動車は2020年も拡大基調で推移する可能性もある。
遠藤徹プロフィール
専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊