「有山勝利の視軸」BASFの自動車カラートレンド予測

コラム・特集

BASFジャパンが毎年行う「自動車のカラートレンド予測」発表も今回で10回目を超えた。この間に同社は社屋を青山から紀尾井町、六本木ヒルズ森ビル、そして日本橋の室町へと移転を繰り返している。

2019-2020年の自動車カラートレンドのテーマである「ACT/9(アクトスラッシュナイン)」は、積極的な姿勢で未来を形作ることへの欲求を表しており、技術的トレンドと社会の変化を分析し、それらを将来の色へのインスピレーションとなるコレクションに反映させた。

グローバルカラートレンドには、人々のニーズとデジタルイノベーションを結びつける積極的な姿勢が反映されている。デジタル化の重要性が高まっていることは、コンピュータを使用した、AIなど様々なデジタル技術を用いたサポートシステムが受け入れられていることを示しており、それにより、製品を取り巻く新しい環境と消費パターンが形成されている。

今年のコレクションの多様な色彩と様々なレベルの彩度は、進化するデジタル化に対する積極的で柔軟な姿勢を示している。デジタル化は今や生活の一部となり、常に影響力を強めている。従って、これからの自動車の色は、より暖かく、より親しみやすいものにする必要があり、黄色味のオフトーンや複雑なゴールド味のメタルカラーのような、自動車の色としては珍しい色域は、こうしたトレンドに適合している。

今回のカラートレンドは、デザイナーたちが分析から感じ取った、人々が本質的な変化を起こしたいという欲求の高まりを反映しており、こうした欲求は一般的な消費パターンや行動だけでなく、個人の目標にも影響を与える。

多くの若い人々にとって同じ仕事を続けることは珍しくなっており、一つの会社に勤めるという経歴は〝スラッシュ世代〟と呼ばれる多面的なライフスタイルに取って代わられている。

そこで移動手段のパターンも、柔軟な姿勢が求められるようになってきており、スラッシュ世代は仕事と余暇のバランスを取りながら、柔軟性と創造性を重視。この交錯したバランスは、明るい色調から暗い色調までの一連のメタリック及びソリッドカラーに表現されている。

有山勝利プロフィール

1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。

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