フォルクスワーゲンAGとフォードモーターカンパニーは、電気自動車を含む世界規模の提携をさらに拡大することを発表した。この提携では、Argo AI(アルゴAI)と協力して米国およびヨーロッパに自動運転技術を導入し、両社の競争力や、コストおよび投資の効率性を向上させながら、カスタマーにより良いサービスを提供することを目指している。
フォルクスワーゲンは、自動運転車のソフトウェアプラットフォームを開発しており、70億ドル以上となる企業価値評価を持つArgo AIにフォードと共同で出資をしている。この提携により、両社は、Argo AIの「Self-Driving-System」(SDS =自動運転システム)をそれぞれの車両に合わせながら搭載ができると共に、これまでにない世界的な規模によるスケールメリットの恩恵を受けられる。
フォードとフォルクスワーゲンが提携を拡大することで、Argo AIの自動運転システム(SDS)は、ヨーロッパと米国で商業展開される最初の自動運転システムとなる。両社の世界的なネットワークを活用することにより、このプラットフォームは、これまでに開発された自動運転技術の中でも、最大規模で世界の各市場に展開できる可能性を秘めている。フォルクスワーゲンとフォードは、両社による人やモノの移動に対する差別化された取り組みを推進するため、Argo AIのSDSを、それぞれのブランドの車両に独立して搭載することを予定している。
Argo AIのSDSは、大都市におけるライドシェアリングや配達サービスに利用することができる、SAEレベル4の自動運転システムを開発することに焦点を当てている。
フォードとフォルクスワーゲンは、Argo AI株を均等に所有する。両社の株式を合計すると、Argo AI株の過半数を所有することになり、残りの株式は、Argo AI従業員のインセンティブ用にプールされる。全ての取引は、関連する行政当局の承認を得た上で、契約条項に従って実施される。
フォードは、フォルクスワーゲンによる電気自動車専用のMEB (エレクトリックツールキット)を使用して、少なくとも1モデルの量産電気自動車の設計・製造を行い、2023年からヨーロッパで発売する予定。フォルクスワーゲンのスケールメリットを活用しながら、車両ラインナップを効率的に拡充する。
なお、フォルクスワーゲンとフォードの世界規模での提携は、両社間で株式の持ち合いを伴わないもので、両社にとっては、年間を通じて経営の効率性の向上が期待される。