ジャガー 次世代フルバッテリーEVの新型「XJ」を英で生産

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ジャガー・ランドローバーは、英国キャッスル・ブロムウィッチを電動化車両の拠点とし、電気自動車(EV)を製造する計画を発表した。この発表は、2020年以降、ジャガーおよびランドローバーの全てのモデルに電動モデルの選択肢を設けカスタマーに提供するという、ジャガー・ランドローバーのコミットメントの実現に向けた重要なステップになるとしている。

キャッスル・ブロムウィッチで最初に生産されるモデルは、ジャガーのフラッグシップ・サルーン「XJ」の次世代フルバッテリーEVとなることも発表された。
新型「XJ」でも、先代の優美なデザイン、インテリジェントなパフォーマンス、人々を魅了するラグジュアリーさなどの特徴を受け継いでいく。新しいフルバッテリーEVの製造は、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2019」にも選出された世界初のプレミアム・エレクトリック・パフォーマンスSUV「I-PACE」を手掛けたデザイン・チームおよび製品開発のスペシャリストたちが担当する。
今回の発表は、ジャガー・ランドローバーの電動化戦略の次なる一歩であり、英国で数千人規模の雇用を創出する。ジャガー・ランドローバーは、2019年1月に新たな施設および既存施設へ投資をし、バッテリーとEDUのアッセンブリーをミッドランドで行う計画を表明した。これは資本投資計画に沿ったものである。
 
2020年に新たに稼働予定のハムズホールのバッテリー・アッセンブリー・センターは、英国で最も革新的で最先端技術を集結させた施設で、15万ユニットの生産能力を誇る。ジャガー・ランドローバーのEDUグローバル拠点であるウルバーハンプトンのエンジン・マニュファクチャリング・センター(EMC)とともに、ジャガーおよびランドローバーの次世代モデルの生産を支えることとなる。
 
キャッスル・ブロムウィッチ工場は、7月後半にはジャガー・ランドローバーの次世代アーキテクチャーである、Modular Longitudinal Architecture(MLA)に必要となる、新たな設備と技術を導入する。MLAは自社で設計およびエンジニアリングをしており、フルバッテリーEVやハイブリッド・モデルだけでなく、クリーンで効率的なディーゼルおよびガソリン・モデルにもフレキシブルに適用することが可能となる。
 
ジャガー・ランドローバーは、電動モデルのラインアップが拡充されることで、カスタマーひとりひとりのライフスタイルに合った車両を、幅広い選択肢の中から選択することが可能となる一方で、カスタマーの購買につなげていくためには、課題も残されているとしている。
ジャガー・ランドローバーは、英国内での電動モデル製造強化をしていくことを表明したが、英国に大規模なバッテリー生産拠点をつくるためには、政府や業界との協業が必要であり、UK Battery Industrialisation Centre(UKBIC)と政府の「ファラデー・チャレンジ(Faraday Challenge)」と協力して、より小型で高密度、さらに廉価な次世代バッテリー技術の開発を目指す。また、こうした重要な取り組みは既存のサプライチェーンをサポートし成長を促すものであり、その結果、材料の海外依存も軽減することにつながる。そして、英国内でバッテリー生産を可能にし、自動車企業の需要が高まり、将来的に大規模な工場を引き付けることができるとしている。
ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)、ラルフ・スペッツ博士は、「将来のモビリティは確実に電動化に向かっており、明確なビジョンを持つ英国企業として、当社は英国で次世代のゼロ・エミッション車両を生産していくことを約束します。電気自動車の製造と、電気駆動システム(EDU:Electronic Drive Unit)、バッテリー・アッセンブリーを同じ場所に集約することで、ミッドランドを電動化の拠点とします。私たち全員が必要とするレベルまでEVを進化させるには、高い利便性とお求めやすい価格であることが重要な条件となります。従来のように給油するのと同じくらい、容易に充電できるようにならなくてはなりません。お求めやすい価格は、車両製造工場に近い英国内でバッテリーを生産すれば、海外からの輸送コストとリスクを回避できるため、成し遂げられると確信しています。英国には原材料があり、大学では研究が行われ、サプライヤーの基盤も確立しています。英国は最先端モビリティの開発・製造の拠点となり雇用を創出することも実現できるのです。」と述べている。