ミシュランとゼネラルモーターズ(GM)は、世界の持続可能なモビリティを目指す「ムービングオン2019サミット(カナダ・モントリオール)」で、乗用車向けの新世代エアレスホイールテクノロジー「ミシュラン アプティス・プロトタイプ」発表した。ミシュランとGMは、アプティス・プロトタイプを共同研究開発し、まず「シボレー・ボルトEV」などの実験車両にアプティスを装着して実証実験を行い、早ければ2024年に乗用車向けモデルを発売する予定だ。
アプティス=UPTISは、ユニーク・パンクチャープローフ・タイヤ・システムの頭文字を取ったもの。ミシュランが掲げたVISIONコンセプトの一つであるエアレスタイヤを実現し、画期的な構造や複合材料およびホイールアセンブリーにより、タイヤのパンクや破裂などの運転上の大きなリスクを取り除くことが期待されている。
パンクや路上の障害物による損傷、偏摩耗を引き起こす不適正な空気圧などにより、世界中で毎年約2億本のタイヤが寿命よりも早い段階で廃棄されているという。アプティス・プロトタイプは、早期のタイヤ廃棄を防ぐことで環境保全に貢献する。
このアプティス・プロトタイプの主な特徴とメリットとして、①タイヤがパンクしないことによる安心感、②車両のダウンタイム最小化、メンテナンス負荷軽減、車両の稼働率向上、③交換用タイヤやスペアタイヤ製造のための原材料削減による環境保全効果、が挙げられる。
VISIONコンセプトとは、持続可能なモビリティを具現化するためのミシュランの経営・開発戦略であり、イノベーションにより①エアレス、②コネクテッド、③3Dプリンティングの活用、④100%の持続可能原料の使用(すべて再利用できることまたは生体材料の使用)、の4点を最終的に実現することを目指している。