アウディジャパンは8月8日、ユーザー向けイベントでバーチャルカーのデザインを基にワンオフカーとして開発されたEV(電気自動車)コンセプトレーシングカー「アウディ・e-tron ビジョングランツーリスモ」を公開した。(トップ写真:ゲームの世界とアウディの技術が融合したe-tron ビジョングランツーリスモ)
このモデルは、プレイステーション4用ソフト「グランツーリスモ」のために自動車メーカーが参加したプロジェクト「ビジョングランツーリスモ」向けにアウディがデザインしたマシンだが、アウディは実際に走行できるワンオフカーとして製作した。200kWの電気モーターをフロントアスクルに1基、リヤに2基備えるフルタイム4WD(クワトロ)で、システム総合出力は600kW(815hp)を発揮し、時速0-100㎞加速は2・5秒以下という圧倒的な走行性能を実現している。
すでに欧州各国では公開されており、日本では〝電気の街〟東京・秋葉原で公開。お披露目イベントには抽選で600組1200名が招待され、開発者によるトークショー等も行われ賑わいを見せた。
イベントの冒頭に行われたトークショーには、グランツーリスモシリーズのプロデューサーである山内一典氏、開発に携わったアウディAG モータースポーツマーケティング統括のクラウス・デメル氏が登壇。
山内氏は「ビジョングランツーリスモを始めたのは、素敵なクルマが作られるきっかけを作れないかと考えたこと。単なるパートナーシップやコラボという枠を越えて、プロジェクトそのものを楽しめた」と述べた。
(山内氏(写真右)とデメル氏(写真中央)とのトークショーではここでしか聞けない裏話もあった)
デメル氏は「山内さんからゲームと実車でクルマのデザインを変えないでほしいと言われ、レースで走れるような技術をうまく組み合わせていくという、普通のクルマ作りとは全く逆のプロセスに苦労したが、いいクルマができた自負している」と開発当時の様子を振り返った。
また、イベントにはチームヒトツヤマからスーパーGT300クラスに参戦している富田竜一郎選手も登場し、ゲーム内のビジョングランツーリスモでデモ走行を実施。「パフォーマンスが高く、ドライビングテクニックを活かすことができるクルマ」と、〝レーシングカー〟としてのパフォーマンスの高さを評価。首都高速をモチーフにしたコースをレースさながらのスピードやテクニックで駆け抜け、集まった来場者を沸かせた。