文・写真:吉田直志(automobile columnist)
梅雨に入り、気分までもが少々湿っぽくなっている方にオススメしたいのが、今回の東秩父を巡るドライブルート。東秩父とは耳慣れない地域かもしれないが、まさに秩父の東側、関越道の西側にある地域で、山間の自然の豊かさだけではなく、荒川河川敷でのバーベキューを楽しんだり、さらに伝統文化に触れることもできるところ。今回は、その東秩父を、トヨタ「C-HRハイブリッド」で訪れることにした。
東秩父へのアクセスは、関越自動車道の嵐山小川ICを利用する。その前後にある東ICや花園ICを利用したことはあっても、この嵐山ICで降りることはあまりないかもしれない。実際、降りてみると、交通量も多くなく、ICから少し離れるとのどかな風景が広がっている。
まず、訪れたのは「道の駅 おがわまち」。小川町は和紙のふるさととうたわれるほどに、和紙作りが盛んに行われてきたところ。併設している埼玉伝統工芸館では、小川和紙をはじめとした埼玉県内の伝統的工芸品の展示、和紙を使った土産物の販売などが行われている。
続いて訪れたのは、東秩父村にある「道の駅 和紙の里ひがしちちぶ」。ここには、茅葺き屋根の紙すき奥屋のある日本庭園が広がっているほか、宿泊施設もありまさにのんびりと過ごすことができるスポットとなっている。この東秩父には優良な乳牛と食用牛の育成を行うことを目的として山の稜線を利用して作った秩父高原牧場があったが、広く一般向けに体験や見学などができる「彩の国ふれあい牧場」と別称を付けたスポットがある。広大な敷地には、売店やモーモーハウスと呼ばれる酪農関係展示館、動物広場、そして、筑波山や東京スカイツリー、新宿副都心までを見渡すことができる展望台がある。また、牧場内には、1500万本ともいわれるポピーが咲き誇る「天空のポピー」があるのだが、残念ながらポピーの開花時期は梅雨入り前。来年、その時期になったら改めて紹介しよう。
ここまで来ると、秩父市も長瀞といった観光スポットもすぐそばだ。今回は、花園IC方面を目指して、その途中にある荒川沿いにある「かわせみ河原」と「埼玉県立川の博物館」を訪れた。河原ではゆったりと流れる荒川に心落ち着け、博物館では荒川の雄大さや川を利用した産業を学ぶなど、あらためて荒川の魅力を知ることができた。
今回、ドライブに連れ出したC-HRは、高速走行からワインディングまで爽快な走りを楽しませてくれたが、それと同じぐらい印象に残っているのが、快適な乗り心地があったこと。スポーティなハンドリングばかりが採り上げられるモデルだが、個人的には、プリウス同様、いやそれ以上の快適さを感じたほどだ。そして、それこそがドライブの愉しさを大きく引き上げてくれることにも、気付いた。そう大満足のドライブとなった。
ドライブデータ
試乗車=トヨタ C-HR S “LEDパッケージ”
パワーユニット=ガソリンエンジン(1797cc)+モーター、電気式無段変速機、FF
乗車定員=5名
全行程走行距離=約240km
立ち寄りスポット[マップコード]
・道の駅 おがわまち[91 769 812*32]
・道の駅 和紙の里ひがしちちぶ[91 759 804*82]
・彩の国ふれあい牧場[91 784 070*31]
※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。
プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。
(本稿は2018年6月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)