今年5月、MINIのハッチバックモデルである3ドア、5ドア、コンバーチブルがマイナーチェンジした。
とはいっても今回のマイナーチェンジではデザインの変更点は少なく、細部のブラッシュアップ程度に留まるのであまり変わったように見えない。ただし、丸型ヘッドライトへのLEDデイライト・ランニングの標準装備化や、リヤコンビライトにユニオンジャックのデザインを取入れる等、細かいながらもMINIファンには嬉しい改良がなされている。
一方で大きく変更されたのはトランスミッションで、ガソリン車のMINIには新開発の7速DCTが、ジョン・クーパー・ワークスには8速スポーツATが採用された。その中で今回は7速DCTを搭載するクーパーS・コンバーチブルに試乗した。
搭載するエンジンは、最高出力192PSの2ℓターボ。低回転域から力強いトルクを発生し、高回転域まで気持ち良く吹け上がる素性の良いエンジンだが、その良さがDCTとの組合せでさらに引き出される感じだ。従来のATも不満はないが、それよりもダイレクトなシフト感覚が得られるDCTとの組合せはマニュアル感覚に近く、MINIらしい俊敏な旋回性能も合わさって非常に心地良い。ベストなマッチングといえるだろう。
また、これまでシフト基部にあったドライブモードの切替えが、インパネセンターのトグルスイッチに移設。従来方式は走行中に切替えやすいとはいえなかったから、これも見逃せない改善ポイントだ。
足回りはやや硬め。試乗車は18インチのピレリP7を装着していたが、大径タイヤということを差し引いても基本的にハード寄りのセッティングだ。しかし乗り心地を損なうまでではなく、快適性とのバランスをうまく両立している。キビキビと街中を駆け抜け、のんびりとロングドライブを楽しむ、MINIコンバーチブルならではの魅力がフルに楽しめるモデルである。 (鞍智 誉章)