【車屋四六】 スカイライン2800D

コラム・特集 車屋四六

プリンスから日産に引継がれた銘ブランド・スカイラインの六代目登場は1981年。横腹から伝統のサーフラインが消えて寂しかったが、排ガス対策でフ抜けになったエンジン回復の第一歩だった…伝統のツインカムS20もFJ20の名で甦った。

で、走りの良さを強調で、ルマン24時間を走ったハリウッドの名優ポールニューマンを宣伝に採用したので{ニューマンスカイラン}の愛称も生まれた。表題の直六ディーゼル搭載の280GTも、当時国産ディーゼルでは最速を誇ったのである。

カービート誌のムック本製作で、6台の新スカイラインが日光戦場ヶ原に勢揃いし、1台毎違うライターが記事を受け持った、
紹介する3台の写真は、奥からGT-EXセダン、GT-Xクーペ・ターボ、そして私担当の280D-GT・5ドアハッチバックである。(トップ写真:日光戦場ヶ原に勢揃いしたスカイライン6台の中の手前白いのが筆者担当の280D-GT)

当時のエンジン構成は。四気筒のZ18S1/1.8ℓ105馬力、Z20E4/2ℓ120馬力、FJ20DOHC/2ℓ150馬力。六気筒はL20E/2ℓ125馬力、L20E・Tターボ/2ℓ145馬力、そして2.8ℓディーゼルだった。

280Dを選んだ理由は、日本で毛嫌いされるディーゼルに興味があり、またディーゼルが人気の欧州ではベンツが五気筒、世界のほとんどのディーゼルが四気筒なのに、日産が六気筒だったから。

こいつはセドリックやローレルに搭載という実績もあり、低振動・静粛性では世界トップレベルだった。それは元々コスト高のディーゼルを多気筒にしたメリットだったのである。

その直六OHCは2792cc・分配型燃料噴射・圧縮比22・91馬力/4600回転・17.3kg-m/2400回転・5MT/OD付3ATという構成。
全長4595㎜・全幅1675㎜・全高1385㎜・車重1215kg。

私の試乗記だと…ディーゼルのウイークポイントである振動と騒音、吹けの良さは世界のトップレベルといっても過言ではない。嫌われる排煙も、急加速時に僅かにバックミラーに映る程度とある。
かったるいと予測の加速も申し分なく、ゼロ100㎞加速16.14秒で問題なし。ATの発進は踏み込んだ瞬間モタッとするが、4400回転でシフトアップした二速のダッシュはかなりなもので、そのまま100㎞へ。ちなみに手動で5000回転まで引っ張ってからシフトアップしても、加速タイムは同じだった。

オプションのパワーステアリングで日光いろは坂も楽にこなしたが、スポーティーに走ろうとすると、3ATでは各ギアのレンジが広すぎるので、4ATならばと思ったとある。
とにかく黙って乗れば、また乗せられれば、ディーゼルとは判らないほど良く仕上げられたディーゼル車だった。

そんな81年は新車の当たり年で…ソアラ・ピアッツァ・バイオレット・リベルタ・スタンザ・オースター・セリカ・スカイライン・ミニカamiL・コスモ・カリーナ・アコード・ビガー・レックス・シャルマン・サニー・ルーチェ・シティーなど…全部の姿を連想出来る人は少なかろう。

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