文・写真:吉田直志(automobile columnist)
都心に住んでいると豊かな自然に触れるには、わざわざ足を伸ばして出掛けなければならない、と思われているかもしれない。しかし、ちょっと郊外へと走るだけで豊かな自然に触れることができる、そんな地域がある。それが、圏央道が繋がったことで都心からもアクセスしやすくなった埼玉県の桶川・北本地域だ。SUBARU「XV」に乗って豊かな自然を堪能するドライブへと出掛けることにした。
埼玉県桶川・北本といえば、都心までの通勤圏内にあり、豊かな自然が広がっている地域とは想像できないかもしれない。鉄道に乗っても、高速道路を利用しても、都心までのアクセスが良く、大型店舗も多いというベッドタウンゆえに、豊かな自然とは少々縁がないように思ってしまうのも無理はない。
しかし、駅周辺から少し離れると、自然がそのままに残された公園や、荒川の河川敷には整備された公園やホンダのエアポート(埼玉県比企郡)などもあるし、田畑も多く見られ、地元の農産物を生かした“食”も楽しめる。
桶川・北本地域へのアクセスはICのある圏央道が東北道と関越道を結んだこともあって、都心からは便利になった。今回は、圏央道・桶川北本ICを利用してまずは「北本自然観察公園」へと向かうことにした。
ここは、まさに自然をそのままに残した公園で、雑木林やビオトープが広がっており、公園の隣には住宅街が広がっていることを忘れてしまうほど。園内には散策コースが整備されているほか、また「埼玉県自然学習センター」があるなど、1日中自然に親しむことができる。ちなみに散策コースには、ここはマムシが出ます、スズメバチが巣を作っています、といった注意書きがあり、散策とはいってもウォーキングというよりもトレッキングに近い感覚で歩くことになる。
この北本自然観察公園そばには池やサイクリングロードが広がる「天神下公園」、水遊びもできる「北本市子供公園」などもあり、この周辺だけでのんびりと過ごせる。
次に訪れた「北本水辺プラザ公園」は荒川の河川敷に作られた公園で、荒川の流れを再現した旧流路体験水路、芝生が広がる広場などがある。このあたりは公園がと多いだけではなく、桜が多く植えられていることもあって、春にはまた別の景色が広がる。また、キャンプができる「北本市野外活動センター」があるなど、北本の荒川周辺はまさに様々なアウトドアシーンを愉しめる地域となっている。
ちなみに北本はトマトの産地としても有名でトマトをモチーフにしたゆるキャラ“とまちゃん”まで作り、さらにトマトを使ったB級グルメとして、北本トマトカレーを北本市内で提供している。早速味わってみようと北本トマトカレーを提供しているという「のんのスタジアム」を訪れたが、残念ながら完売。このカレー、どうやらルーやトッピングにトマトを利用しているだけではなく、ライスまでトマトで赤く染められている、そんなカレーだとか。機会を改めて是非とも味わってみたい。
トマトカレーには出会えなかったが、地元産の農産物や加工品を手に入れたいと思い「地場物産館 桜国屋」を訪れることにした。取材した日は不定休日であり残念ながら何も購入することはできなかったが、トマトはもちろん、周辺地域で生産された新鮮な野菜を購入することができるという。
続いて訪れたのは桶川にある「べに花ふるさと館」。ここは明治時代に立てられた民家を改築して作られた施設で、その母屋や長屋門などがどこかなつかしさへと誘ってくれる不可思議な雰囲気が流れている。もう少しこの地域のことを学びたいと思ったら「桶川市歴史民族資料館」へと足を運んでみることをお勧めしたい。
都心からそれほど離れておらず、また、ベッドタウンというイメージがあった桶川・北本だが、意外にも、古きよき時代、豊かな自然を身近に感じさせてくれた。そんなドライブをさらに楽しいものへと引き上げてくれたのが、SUBARU XVだった。素直なハンドリング、SUVらしいゆったりとした乗り味、それでいながらスポーティに走らせる楽しさにあふれている。まさにオールマイティなキャラクターを持っていたことが強く印象に残った。
ドライブデータ
試乗車=SUBARU XV 2.0i-S Eyesight
パワーユニット=ガソリン水平対向4気筒1995cc、AWD、リニアトロニック
乗車定員=5名
全行程走行距離約=約200km
主要ルート[マップコード]
・北本自然観察公園[14 316 855*81]
・のんのスタジアム[14 378 837*15]
・べに花ふるさと館[14 352 714*61]
※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。
プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。
(本稿は2017年8月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)