コンフォートな乗り心地とスポーティな走行性能を両立「BMW・X1 xDrive18d試乗」

試乗レポート

BMWのクロスオーバーSUVでもっとも小さなボディを持つ「X1」。昨年のフルモデルチェンジでFFベースのプラットフォームに刷新されたが、このほど待望のクリーンディーゼルエンジンを搭載した4WDモデル「xDrive18d」が追加された。

先代はFRベースのプラットフォームだったため、縦置きのエンジンによって長いノーズ、後ろに寄せられたキャビンという独特のフォルムだったが、現行モデルはプラットフォームの刷新でエンジンの横置きを実現。よりSUVらしいプロポーションを手に入れた。18dのエクステリアはベースモデルから変更はなく、両側フロントドア下部に配された専用エンブレム以外、ディーゼルモデルであるという主張は見られない。

もっとも小さなボディを持つといっても、全長4466㎜×全幅1820㎜×全高1610㎜というサイズはマツダ・CX-5と同程度のもの。大きすぎず小さすぎず、日本の道路事情にも則したサイズ感といえるだろう。

インテリアは、試乗したMスポーツでは専用のクロスとアルカンターラのコンビシートを採用。また、プラットフォームを刷新したことにより、フロアのセンタートンネルの高さと幅も小さくなっている。とくに後席は高い着座位置で良好な視界を実現しながら、頭上のスペースも十分にあり、バックレストも傾きが7段階に変えられるので、居住性も高く長距離ドライブでも大人4人がゆったりと過ごせる。さらに、40:20:40 の3 分割に倒して使え、完全に折りたたむとほぼフラットな収納スペースになるので、多彩なニーズに応える荷室スペースを実現し、日常での使い勝手も高いレベルにある。

パワートレーンは、2・0Lクリーンディーゼルエンジン(最高出力150PS、最大トルク330Nm)に、8速ATを組み合わせる。1750~4000rpmという広範囲で最大トルクを発揮し、どの速度域でも扱いやすい。一方、加速感は穏やかで、発進時から豊富なトルクでクルマを押し出す、というディーゼル特有の感覚があまりないのが印象的だった。

足回りには、Mスポーツには専用チューニングのスポーツサスペンションを装備するが、その乗り味はどちらかというとコンフォートなもの。だが、直進・カーブなどでの安定した走りや正確でスポーティなハンドリングは損なわれておらず、BMWの〝駆け抜ける歓び〟をSUVモデルでも実感できる走行性能を持つ。

また、18dも他のBMWモデル同様に、エコ・コンフォート・スポーツの3種類から走行モードが選択可能。コンフォートはもちろんだが、エコでも街乗りなら必要十分な走りを見せるので、普段はエコモードでの走行をおすすめしたい。ただ、シフト横に設けられたボタンは慣れないとブラインドタッチでの操作が難しいので、ステアリングに付いているとさらに操作性が向上し、運転も楽しくなると思う。

Tagged