家族で行こう! きままにクルマ旅(2016年11月 紙面掲載)
ルノー トゥインゴでドライブ 神奈川・西湘地域

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

本格的な冬が訪れる前にと西湘を愉しむドライブへと出掛けることにした。政財界の要人の別荘地が多くあった大磯、小田原城を中心とした城下町、そして小田原港など、かつて紹介したスポットも含めて、この地域には見どころは数多くある。そんなドライブの相棒に選んだのは、ルノー「トゥインゴ」。扱いやすいという実用性だけではなく、出掛けたくなるというカジュアルに富んだモデルだったことが印象に残った。

2016年5月に平成の大改修が完了し、外壁や屋根はもちろん、天守閣での展示をリニューアルしたこともトピックとなっている小田原城

ふと魚が食べたくなった、ふと海岸線をのんびりとドライブしたくなった、風光明媚な景色を眺めたくなった、そんな気分になった時は、神奈川県の南西部、西湘を訪れることをお勧めしたい。温暖な気候、海岸線を走るドライブルート、そして、豊かな自然がもたらす美味しい食事など、心を満足させることができる。西湘へのアクセスは、圏央道から新西湘バイパスへと乗り継いで海岸線へと向かうルートのほか、厚木から小田原厚木道路を利用するルートがある。

今回は突然の工事渋滞もあって、小田原厚木道路から途中、西湘バイパスを利用することにした。取材当日は小春日和だったこともあり、西湘バイパスにはまさに暖かな陽射しが降り注ぎ、まさに心までゆったりとなるようなドライブを愉しめた。

ちなみに、この西湘バイパスは、道路の継ぎ目が大きいことでも有名、つまりは、クルマの乗り心地を評価するに適したシーンなのだがトゥインゴは豊かなサスペンションストロークを利用して、路面からの入力をコトンコトンと軽くいなし、まさに快適さを提供してくれた。もちろん、0.9Lターボエンジンは、快活といわんばかりのフィーリングを持っており、いざアクセルを踏み込むと周囲が驚くほどの加速を見せる。また、RR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトを採用していることから、ついつい俊敏さを期待したくなるが、実はゆったり感も備えているなど、のんびりとした気分に浸ることができる、そんな懐の深さも印象に残った。

最初に訪れた小田原は、大改修を終えたばかりの小田原城、食事処や土産物屋が建ち並ぶ小田原漁港、そして、小田原城攻略の際に豊臣秀吉が構築した石垣山城(石垣山一夜城)跡など、見どころは数多くある。ちなみに、石垣山一夜城からは小田原城はもちろんのこと、西湘の海岸線を望むことができる。また、最近、マルシェやレストランカフェからなる「一夜城ヨロイヅカファーム」ができたこともあって、多くの人が訪れる人気スポットとなっている。

JR東海道線・早川駅近くにある「小田原漁港」。第2、4土曜日には漁港西側で朝市を開催/「小田原魚市場食堂」にて、魚とエビのフライ、刺し身がセットになった港の昼定食(1400円)

地産地消を掲げたレストラン、農産物直売所などを備えた「一夜城ヨロイヅカファーム」。小田原城はもちろん西湘を見渡すことができる一夜城そばにある

西湘バイパスを東側へと向かい(戻り)ながら、途中、二宮町へと立ち寄ることにした。残念ながら梅沢海岸で行われている海の朝市の今年の開催は11月26日をもって終了してしまったが、年明けになれば二宮駅近くにある吾妻山では菜の花が咲き誇り、「ラディアン花の公園」では河津桜が早々と開花し、ひと足先に春を楽しませてくれる。

「ラディアン花の丘公園」は季節によってさまざまな花を愉しむことができる。展望広場からは西湘の海岸や富士山を眺望できる

二宮町に隣接する大磯は、江戸時代には宿場町として栄え、近年では政界、財界の要人の住居、別荘地としても有名な地域だ。中でも神奈川県立大磯城山公園は国道1号線を挟んで広がる公園で「大磯町郷土資料館」、「旧吉田茂邸地区」、茶室である「城山庵」などがある。また、大磯港には地元で水揚げされた魚を愉しませてくれる食事処もあり、まさに、充実した1日を過ごすことができる。

トゥインゴは、まさにそんなまったりドライブを満喫するに相応しい相棒だった。それゆえに燃費もさぞかし良かろうと思いきや、あまりに快活に走るものだからついついアクセルも踏み込み気味となり、結果、カタログ燃費を少々下回ってしまった。しかし、逆にいえば、そんな走りをしたにも関わらず19.6km/Lを記録しており、まったりドライビングを心がけていたら、かなりの低燃費を期待できただろうことは、容易に想像がつく。

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ドライブデータ

試乗車=ルノー トゥインゴ インテンス キャンバストップ
パワーユニット=ガソリンエンジン897ccターボ、RR6速EDC(エフィシエント デュアルクラッチ)
乗車定員=4名
全行程走行距離=170km

立ち寄りスポット[マップコード]

・小田原城[57 288 654*82]
・小田原漁港[57 258 391*81]
・ラディアン花の丘公園[15 181 103*40]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2016年11月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

 

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