足回りを改良し、乗り心地向上、11年ぶりにさらなる進化「エスティマ試乗」

試乗レポート

たまご型の独特なフォルムを持つエスティマは、スペース効率の良い箱型ミニバンが全盛の現在では主流とは呼べないが、現在まで続くミニバン隆盛の先駆けの存在。エスティマハイブリッドは、プリウスに次ぐ国内2番目の量産HVとして2001年に登場し、世界で初めてハイブリッドシステムを搭載したミニバンでもあり、現在でも一定層から熱烈な支持を受けている。

そのエスティマが11年ぶりにマイナーチェンジを実施した(現行モデルは2006年にデビュー)。内外装のデザインを変更するとともに乗り心地や操縦安定性を向上。さっそくガソリンモデルとハイブリッドモデルに試乗したのでファーストインプレッションをお伝えする。

まず、特徴的なフロントマスクは、オーリスやアクアをほうふつとさせる大開口のアンダーグリルと張り出したバンパーコーナーのデザインを採用。存在感を際立たせながら、遠目から見ても一目でエスティマとわかるエクステリアデザインを貫き、エスティマファンも納得する新たな魅力といえるだろう。

さらに、ボディーカラーにはミニバン初となる2トーン仕様を採用。ルーフをブラックとすることで上下がくっきり分かれ、スタイリッシュさを追求したという。

まずはガソリンモデルから試乗した。プラットフォームやパワーユニットは同じだが、コイルスプリングをはじめ足回りを改良したことで、従来モデルより安定感のあるしっかりとした操舵感を感じられた。また、新たにパフォーマンスダンパー(一部オプション設定)を装着したことで、急なハンドル操作にも挙動に不安がなく、乗り心地も快適に仕上がっている。

マイナーチェンジでV型6気筒3・5ℓエンジン搭載車が廃止され、最高出力170PS/最大トルク224Nmを発揮する2・4ℓ直列4気筒に統合となったが、出力は充分。出だしから軽快感のあるキビキビとした加速力で、低速域から高速域までストレスフリーで運転でき、ファミリーでの旅行も楽しめそうだ。

一方、ハイブリッドモデルの出だしは、一拍おいたタイムラグを感じたが、その後はなめらかに加速し、コーナーや高速走行時の安定感も申し分ない。
足回りはやや硬めで、路面の凸凹などはシートからナチュラルに伝わってくる。ロングドライブで疲れを感じたら、電動式のサードシートを床下に格納し、シートをフラットモードにするだけで大人が横になってくつろげるのはミニバンの特徴だが、サードシートの格納はスイッチ操作のみで行なえる点や、トヨタ初となる360°全方位に紫外線を約99%カットするUVカットガラスを装備した点は、女性に高評価のポイントだろう。ロングセラー車のエスティマだが、今回のマイナーチェンジでより熟成し、今後もファン層は拡大しそうだ。

Tagged