2013年に登場した5代目のホンダ・オデッセイは、両側にスライドドアを備えるなど先代から大きくイメージを変え、外観はスポーティなワゴンからミニバンらしい雰囲気を持ったモデルになった。今年の2月には待望のハイブリッドモデルを追加。クラストップレベルの高い燃費性能と上質な乗り心地を両立した一台になっている。
パワートレーンは、2・0?アトキンソンサイクルエンジンに、アコードハイブリッドと同様の2モーターハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-MMD」を組み合わせたものを搭載。システムは同じだがオデッセイ用にチューニングされ、最大出力と最大トルクはともにパワーアップを果たし、3・0Lエンジン並みの動力性能を実現している。
乗り込んでみると前方視界は良好に感じるが、他のミニバンモデルと比較すると若干着座位置が低く、より乗用車感覚で運転できるのが印象的だ。走り出しはモーターのみで電気自動車のように滑り出すように加速。アクセルを踏み込めばエンジンが始動し、強力なモーターとあわせ淀みなくシームレスな加速を開始する。中間加速でのアクセル操作に対するレスポンスも不満のない仕上がりになっていた。
また、ブレーキのフィーリングは、回生ブレーキによる充電の様子を感じられたが、違和感はなく滑らかな感触。軽いとかスッと抜けるような感じは無く、ガソリン車と変わらないブレーキフィールであるのも好印象だ。
先代モデルに比べ車高が高くなっている現行オデッセイだが、ハイブリッドモデルはリチウムイオンバッテリーを床下に搭載することで、重心が低くコーナーでのロールも最小限に抑えられている。少し重めのステアリングフィールが気になるところだが、コーナーや直線でも安定感が高く、約80㎏の増量を感じさせない上級サルーンのような乗り心地を味わえた。
2列目には、オットマンを装備した上級装備のプレミアムクレードルシートを採用。シートに包み込まれているような座り心地は、長距離移動での疲れを忘れさせてくれるだろう。加えて、スライド幅も多めに確保されているので、サービスエリアなどでちょっとした仮眠を取りたい時でも、足を伸ばしてゆっくりと休憩するといった使い方もできる。
3列目のシートスペースも十分な広さが確保されており、大人2人が座っても窮屈に感じることはないだろう。3列目は簡単に床下に格納できるので使い勝手も良く、ミニバンとしての基本性能の高さを感じることができた。
ただ、ハイブリッドのEXグレードを選ぶと、運転席と助手席の間に大型センターコンソールボックスと大型アームレストが装着されるが、ウォークスルーをするのには少し大きすぎて気になる存在に。このあたりの利便性についてはもう少し改善の余地がありそうだ。