家族で行こう! きままにクルマ旅(2015年7月 紙面掲載)
ホンダ・ジェイドで 涼を求めて群馬・上野村へ

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

子どもたち待望の夏休みの到来と同時に梅雨明けが宣言され、いきなりの酷暑となった日本列島。今回は、うだるようなこの暑さから逃れられる、涼を求めてのドライブルートを紹介しよう。目的地は、群馬県上野村。群馬県と長野県の県境も近く、山あい深いだけではなく、神流川も流れ、まさに涼を求めるにはぴったりの地。今回のドライブのツレには、ホンダの「ジェイド(ハイブリッド)」を選んだ。

上野村へのアクセスは、関越自動車道から上信越自動車道へと入って下仁田ICで下りて、下道を走るのが、最も時間のかからないルートであり、一般的にはこのルートが紹介されている。練馬ICから下ICまでは約100㎞、約1時間で、ICから上野村までは約35分だから、2時間ほどあれば到着することができる。

山深い地と思いきや、意外に時間は掛からない。ただし、今回は、最短距離を優先したルートを選択。関越自動車道の本庄児玉ICで下りて国道462号線を走る。このルートを選んだのは、神流川沿いに走るため、自然豊かな景色を見ながらのドライブを愉しめるからだ。

「道の駅 上野」に併設する「琴平センター」には特産物直売コーナーとレストランあり。レストランでは、いのぶたソースカツ丼十石盛り(通称メガ盛り)が名物

上野村に到着して最初に訪れたのは「道の駅 上野」。特産物直売コーナーやレストランを併設したスポットだが、周囲にはカフェやそば屋、そして、自然との関わりを学ぶことができる「森林科学館」などがあり、まさに道の駅以上を愉しむことができる。続いては谷間に架けられた大きなつり橋である「上野スカイブリッジ」へと向かった。橋が架けられている「まほーばの森」側、「川和自然公園」側、いずれへもクルマでアクセスすることは可能だが「川和自然公園」側は林道(舗装路)を走るためにすれ違いが難しいシーンに出会うかもしれないため、ドライブに慣れていない人は避けたほうがいいだろう。

長さ225m、高さ90mを誇る「上野スカイブリッジ」。空中を散歩しているかのような感覚から、天空回廊とも呼ばれる

この上野スカイブリッジは、天空回廊とサブネームが付けられるほどで、まさに、天空を散策しているような気分を愉しめる。最初、橋を眺めていた時には大したことないと思っていたものの、実際に渡ってみると、まさに天空を歩いているかのような錯覚に襲われ、下をのぞき込むと足がすくんでしまうほど。まさに、うだるような暑さは吹き飛び、手に汗握る、そんな涼を愉しむことができた。

「川の駅 上野」の裏手には神流川が流れており、遊歩道やつり橋などがあり、散策することも可能

上野村内には最初に紹介した道の駅のほか「川の駅 上野」と名付けられた施設もある。こちらも、特産物直売コーナーや木工作家の作品を展示販売している店舗などが集まった施設。さらに、その裏手には神流川が流れており、河原へと下りて、涼を愉しむことができることもポイントとなっている。また、川の駅の近くには国の重要文化財に指定されている「旧黒澤家住宅」がある。ここは江戸時代、大総代を務めた黒澤家の住まいであり、1700年代中ごろに建てられたといわれ、当時の生活様式を伺い知ることができる。

江戸幕府の天領だったこの地を、大総代として守った黒澤家の住宅が当時の姿で残されている。建築は18世紀中頃と考えられている

上野村、8月と聞くと30年前、御巣鷹山の尾根へと日航ジャンボ機が墜落した悲惨な事故を思い起こす人も多いだろう。追悼施設として造られた「慰霊の園」は、「旧黒澤家住宅」のそばにある。取材で訪れた日は、数日前に、8月の慰霊式を前に大掛かりな掃除が行なわれたばかりだった。

今回のドライブに連れ出したホンダ ジェイドは、想像以上に軽快に、そして、想像以上の低燃費を実現してくれた。誰でもワインディングを愉しめるようなスポーティさが強く印象に残ったが、それと同時に快適さを感じ取れるキャビンの設え、乗り心地にも感心した。燃費は、取材という悪条件、さらに山道を走るという過酷な条件が加わりながらも約20km/Lを達成。まさに、満足感の高いドライブだった。

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ドライブデータ

試乗車=ホンダ ジェイド HYBRID X
パワーユニット=ハイブリッドシステム(ガソリンエンジン排気量1496cc)、デュアルクラッチトランスミッション7速、FF
乗車定員=6名
全行程走行距離=約350km

立ち寄りスポット[マップコード]

・道の駅 上野[534 874 224*52]
・上野スカイブリッジ[534 843 230*38]
川の駅 上野[665 612 129*76]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2015年7月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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