日産自動車、株式会社JVCケンウッド、フォーアールエナジー株式会社の3社は1月9日、電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーを利用し、3社で共同開発したリユースバッテリー内蔵ポータブル電源が、「JIDAデザインミュージアムセレクションVol.26」に選定されたと発表した。
同製品は、使用後でも高い残存性能と安全性を持っている日産リーフの再生バッテリーを利用したポータブル電源。暑さや寒さに強く、車載や長期保管が可能なため、従来の使い方に加え、災害時等の非常用電源としても活用できる他、日産リーフの中古バッテリーを再利用することで、製造時のCO2発生を抑え、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献している。
またデザインでは、脱炭素社会の実現に向けた「サステナブルなポータブル電源」を具現化。従来の使い方に加え、車載環境でも安心・安全に使用できる設計となっており、高い堅牢性とロングライフデザインをテーマとした。同製品を積載するさまざまなシーンを想定し、誤動作防止に配慮するとともに、耐久性のある造形と表面処理を採用。さらに、収納式ハンドルに加え、本体底面にも指掛かり形状を施すことで、重量物でありながらアウトドア、車載、防災用品として手軽に取り扱えるデザインとした。
JIDAデザインミュージアムセレクションは、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)により、デザインミュージアム設立に向けて年に1回行われている選定事業。JIDA会員を中心に一般から製品が推薦され、その中から「今、残すべき優れたデザイン」として、今回は計61点の製品が選定された。
今回のリユースバッテリー内蔵ポータブル電源の選定では、持続可能な社会の実現に向けた取り組みなどが評価されたとしている。
なお、選定された製品は1月16日~20日にAXISギャラリー(東京都港区)で開催される「JIDAデザインミュージアムセレクションVol.26」に展示される。
<審査員のコメント>
持続可能な社会の実現に向け、各企業個社だけで解決できない課題にどう取り組むか。電気自動車用バッテリーの二次利用への期待が高まっているなか、主要プレーヤー3社の連携により生み出されたポータブル電源。その取組みの社会的な意義は大きいと言える。耐久性のある造形と表面処理、可搬性と収納性に配慮した造形など、重量物でありながらアウトドア、車載、防災用品として安全かつ手軽に取り扱う工夫がされている。