トヨタの液体水素カローラ、スーパー耐久富士24時間レースを完走

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トヨタ自動車は、5月26日~28日に行われた「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2023 第2戦 NAPAC 富士 SUPER TEC24時間レース」に、液体水素を燃料とするエンジンを搭載した「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」(水素エンジンカローラ)で参戦し、見事完走を果たした。液体水素を燃料として搭載した車両のレース参戦は世界初の挑戦だ。

この水素エンジンカローラはもともと開幕戦への参戦を予定していたが、3月8日に富士スピードウェイで実施した専有のテスト走行において、エンジンルームの気体水素配管からの水素漏れによる車両火災が発生し、車両の復旧が間に合わなかったため、出場を断念。

欠場から約2カ月にわたり車両火災の原因となった水素配管について、①水素配管を高温部から離す ②水素配管ジョイントに緩み防止機能と万が一水素が漏れた際にも水素をキャッチし、検知器に導く機能を兼ね備えたセーフティーカバーを装着する等、設計の変更が行われた。

さらに、2カ月間で50kg以上の車重軽量化に成功したことで、2021年5月に水素エンジンカローラが“気体水素”を燃料として初参戦した際のラップタイムを上回る性能を実現したという。

燃料を気体水素から液体水素に変更した利点は、圧縮気体水素をつくるために必要だった圧縮機や冷却用プレクーラーなどの設備が不要になるため、設置に必要な面積が4分の1程度までコンパクト化され、ガソリン車と同様にピットエリア内で燃料充填が可能になった他、充填時に昇圧の必要がないため複数台連続の充填も可能となった。さらに、体積当たりのエネルギー密度が上がるため、満充填からの航続距離は約2倍に増加し、充填時間はこれまでと同様の約1分半を実現した。

一方で液体水素にも課題はある。充填や貯蔵の際に-253℃よりも低い温度に保つ必要があり、低温環境下で機能する燃料ポンプ技術をどの様に開発するか、車載用液体水素タンクの法規をどのように作り上げていくか、タンクから自然に気化していく水素にどう対応するか等、今後解決に向けて取り組んでいくとしている。

 

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