山梨県韮崎市に本社を構える「M.Y.Sミスティック」は、今年の「ジャパンキャンピングカーショー2023 」で新型キャンピングカーを2車種発表。その内の1台が、2022年より次期型の開発が進められていた、同社のフラッグシップモデル「アンセイエ」だ。
トヨタ・カムロードをベースにしたキャブコン(キャブ・コンバージョン)のアンセイエは、ミスティックが持つ信頼の技術力とデザイン哲学のすべてを結集した、同社の旗艦モデル。強度の高いフレームと独自のサイディング加工が施されたスクエアフォルムが特徴で、一般的な国産キャブコンとは一線を画すこのデザインは、個性を求めるコアなファンから特に支持されてきた。
レトロモダンなアメリカンテイスト
新型アンセイエの外観は、美しいサイディング外壁やスクエア形状といった独自の価値観はしっかり継承されている。
前部と後方の外壁が外側に少し反った形状をしており、より個性が際立つシルエットになっている他、ミッドセンチュリーを思わせるカラーリングも秀逸だ。
アメリカのクラシックなキャンピングカーが好みと話す同社の佐藤正代表は、「新型アンセイエは、古き良きアメリカンテイストをアクセントに取り入れつつ、日本人が得意とする細部に至るまでこだわった精密な施工で製造した」と語る。
特に室内のデザインにこだわりが見て取れる。上部に設えた棚はウッドで統一され、アメリカのキャンピングカーに見られる、跳ね上げ式扉を採用。一方で、テーブルはダンパーを組み込んだ昇降型、使いやすい位置にビルトインした冷蔵庫など、最新の設備を採用している。
クラス最高スペックの電装設備
室内レイアウトは、先代モデルのファミリーユースから、コンセプトを2人旅に刷新。サイドのエントランスを入って右手にキッチン、正面がL字のダイネットスペースとなり、シート後方にはトイレルームが配置されている。
リア常設ベッドは先代の2段タイプから2名就寝のセミダブルベッドへと変換。ベッド下は広大なカーゴスペースにもなっており、車外両サイド、後方の3方向からアクセスできるようになっていた。
キャブオーバー上部にも2名が就寝可能で、ルーフへとアクセスできる大きな天窓からは自然光が差し込み、明るさと開放感を感じることができた。
電装設備は、428Ahのリチウムイオンサブバッテリー(オプションで428Ah×2も可能)、ソーラーパネルは180Wを2枚、110Wを1枚搭載し、リアに家庭用エアコンを設置。その他、走行性能を高めるエアサスペンションなど、必要とされる装備が標準で組み込まれている。