いすゞ自動車は12月23日、大型路線バス「エルガ」および中型路線バス「エルガミオ」を改良して全国一斉に発売した。
今回の改良では、ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)に自動検知機能を追加したほか、周囲の照度に応じて、自動的にヘッドランプのロービームを点灯および消灯するオートライト機能の追加、バックカメラおよびモニターの標準装備など安全性の向上を図った。
また、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた取り組みとして、車内の握り棒や伝い歩き棒など多くの人が直接触れる部分の抗菌化を標準仕様としたほか、新たに一部座席の足元にエアアウトレットグリルを追加するなど、車内外からの排気・吸気能力の向上を図り、換気性能を向上。
さらに、2025年度を目標年度とする重量車(GVW3.5トン超、トラック・バス等)の新たな燃費基準が策定され、この基準に対応し、大型路線バス「エルガ」については、同モデルにおいて2025年度燃費基準値を達成した。
2019年に標準装備したEDSSは、走行中、ドライバーが急病などで安全に運転できない状態に陥った場合、乗客やドライバーが非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して車両を停止。今回の改良では、脇見や居眠り、ドライバーの異常をピラーに搭載されたカメラでモニターする自動検知式EDSSを国内の路線バスで初採用。脇見や居眠りを検知した場合、運転席シートのバイブレーターを作動させることでドライバーに警報し、注意を促すほか、ドライバーがハンドルに倒れ込むなどの運転姿勢の崩れを検知した場合、運転席シートのバイブレーターの作動および運転席EDSSスイッチの点滅によりドライバーに運転継続が可能か状況を確認。その後、ドライバーの異常を判定するとEDSSが自動で作動し、減速して車両を停止する。車内では音声アナウンスと赤色フラッシャーランプにより、異常時であることを乗客に伝達し、車外にはホーンを鳴らし、ハザードランプとブレーキランプを点滅させて異常事態を知らせる。