ブリヂストンは10月7日、プレミアムスタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX3」、 SUV専用タイヤ「ALENZA LX100」、乗用車用低燃費タイヤ「ECOPIA NH200」シリーズ、および乗用車用タイヤとメンテナンスのサブスクリプションサービス「Mobox」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。
【「BLIZZAK VRX3」】
冬道における様々な運転シーンにおいて安心・安全を足元から支えることを目指し開発されたプレミアムスタッドレスタイヤ。ブリヂストンのスタッドレスタイヤを支える独自技術である「発泡ゴム」を新たな発想で進化させた「フレキシブル発泡ゴム」と新トレッドパタンを採用することで、従来品「BLIZZAK VRX2」の全方位型の大きな性能円はそのままに、従来品対比氷上でのブレーキ性能 20%向上を実現。さらに、冬の路面に対する効きを視覚的にも表したサイドデザインを採用している。
<評価のコメント>
「BLIZZAK VRX3」:スタッドレスタイヤへのニーズである氷上ブレーキ性能を高めることにフォーカスし、メリハリある製品開発となっている点を評価したい。マテリアルにおいては、独自開発の「発泡ゴム」とポリマー配合によって、機能的な向上に加えて、長期的な経年劣化にも対応している。そして、トレッドパタンの組み合わせによって、さらにブレーキ性能の向上は、総合的な高い技術力によってこそ実現されるものである。厳しい条件下で高い安全性が求められる冬のカーライフのため、常にユーザーの希望に徹底して応えようとする開発姿勢も、高く評価したい。
【「ALENZA LX100」】
「ALENZA」ブランドの中でも静粛性や乗り心地といったコンフォート性能に特化した商品。トレッドパタンデザインに「シークレットグルーブ」や「3D ノイズ抑制グルーブ」などの消音機能を持った特殊な溝形状を採用することで、静粛性能を体現し、新品時だけでなく摩耗後もノイズを抑制。また、SUV 専用チューニングの断面形状デザインにより、高荷重での車両のふらつきを低減し、プレミアム SUV に求められる高い静粛性と快適性を実現した。
<評価のコメント>
急拡大する街乗り SUV 車に対応すべく、オフロードでの操作性に、特に快適性や静粛性という矛盾する機能を向上することにフォーカスし、見事に実現した製品となっている。静粛性においては、消音機能をもった構造や溝形状の開発だけでも画期的であるが、長く使うことを前提に、新品時だけでなく、摩耗してもノイズ抑制機能を保つなど、時間軸まで設計している点は高く評価したい。サイドデザインにおいても、この種の車両ユーザーに向けて、ハイブランド性の満足度をもたらすものになっている。難しいことを当たり前に、さらっと安定的にこなす、SUV 車の性格にあった、タイヤのデザインである。
【「ECOPIA NH200」】
「ECOPIA NH200」シリーズは、近年、クルマの性能向上に伴い進化する新車装着タイヤと同じく、クルマの性能を最大限引き出すために進化した新しい「ECOPIA」。タイヤが転がる際に発生するエネルギーロスを低減する「エコテクノロジー構造」を採用し、転がり抵抗を従来品「ECOPIA NH100」対比 11%低減。また、新パタンとブリヂストン独自技術の「ULTIMAT EYE®」(アルティメット アイ)を活用し、接地圧を均等にすることで高い耐偏摩耗性を実現し、ウェット性能が長持ちする。
<評価のコメント>
新しい時代のスタンダードタイヤとして、当たり前の安心、安全、そして耐偏摩耗と静粛性をバランスよく実現し、日々高機能に変化する、新しい時代の車へ対応している。 独自の設計技術を、スタンダードタイヤに活用したということで、転がり抵抗を低減し、新パタンによって耐偏摩耗性を高め、ウェット性能を長持ちさせるなど、高い機能をスタンダードタイヤに取り入れることを実現し、結果としてユーザーにとっても安心感があり、長く使うことができる、高いサービス提供となっている。また、品よくまとまったサイドデザインはユーザーの所有欲にも応えている。これからの時代にあった、さまざまなユーザーや利用状況のニーズに応えた、コストと性能のバランスが極めて高く、整ったデザインとして評価したい。
【サブスクリプションサービス「Mobox」】
タイヤとメンテナンスを一括して月額定額で利用できるサブスクリプションサービス。消費者のモビリティやクルマに対する意識、また購買行動の変化・多様化に対応し、ブリヂストンのタイヤとブリヂストンクオリティの手厚いメンテナンス、さらにパンク補償をセットで提供。カスタマーの安心・安全な移動を支え、タイヤを適切に管理し長く利用してもらうことで資源生産性の向上に貢献するとともに、適正空気圧を保つことで燃費悪化を抑制し CO2 排出量の削減にもつなげるとしている。
<評価のコメント>
よくわからない、高い、などの理由で、車のパーツの中でも、タイヤとの付き合いは車好きでないと難しい。この問題の解決を、ユーザー目線にたち、さまざまな状況設定を想定し、会社のもつアセットを統合し提案している。定額購入の考え方によるコスト面、交換や点検、パンク時の補償という安全面、専門店による信頼感、それぞれのサービスを一つのシステムとしてつなげることで、ユーザーにとって極めて高い利便性をもたらしているといえる。そして、利便性のみならず、タイヤについてのタッチポイント、コミュニケーションのチャンネルを多くとることにより、タイヤとの付き合い方を変えるサービスであり、命を預けるタイヤに対する理解や意識を高めることにもつながる。幅広いユーザー、車との付き合い方が多様な時代であるからこそ必要とされる、画期的かつ、シンプルで本質的なシステム、サービスとして評価したい。