【ルノー キャプチャーE-TECH HYBRID試乗】人気のコンパクトSUVがさらに魅力アップ!!

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輸入車のハイブリッドといえば、簡易的な48Vマイルドハイブリッドが主流だが、その中でルノーは「E-TECH HYBRID」と呼ぶ独自のフルハイブリッドを搭載し、輸入車ではクラストップの燃費性能を実現している。この「E-TECH HYBRID」、既にアルカナ、ルーテシアにも搭載されているが、その第3弾として「キャプチャー」にも搭載開始。人気のクロスオーバーSUVの魅力をさらに高めている。

E-TECHハイブリッドが、いよいよ人気のキャプチャーに搭載

日本ではフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)は当たり前の存在だが、これはグローバルで見ると特殊な市場といえる。欧州でハイブリッドというと、簡易的な48Vマイルドハイブリッドが中心だ。欧州ブランドにとってのハイブリッドは、あくまで2030年代の完全EV化までのつなぎとしての存在だから、本腰は入れない。開発コストは新型EVやバッテリーの開発に全集中というわけである。

そのような中で、他社とは少し違う方向で進んでいるのがルノーだ。アライアンスを組む日産や三菱とも異なる独自のフルハイブリッドシステム「E-TECHハイブリッド」を開発し、今年5月から新型クーペSUV「アルカナ」に搭載して日本での発売を開始、続いてコンパクトカー「ルーテシア」にも搭載した。そして、今度はコンパクトSUV「キャプチャー」にも搭載し、9月1日から発売する。

搭載するシステムは先行したアルカナと同様で、最高出力94psを発揮する1.6Lの直4・NAエンジンに、最高出力49ps、最大トルク148Nmの駆動用モーターを組み合わせたもの。トランスミッションに独自の電子制御ドッグクラッチマルチモードATを採用するのが最大の特徴である。駆動方式はFFのみで4WDは設定されていない。

キャプチャーに搭載されたE-TECHハイブリッド

WLTCモード燃費は22.8km/L。1.3Lのガソリンターボのキャプチャーは17.0km/Lだから、約3割も燃費性能で上回ることになる。もちろん輸入SUVの中でトップの燃費性能だ。

力強いモーターで発進からスムーズ

現行キャプチャーは2代目で、日本では1.3Lガソリンターボを搭載し21年2月に発売開始。昨年試乗した時は、その心地よい走りと居心地の良い室内空間、実用的なパッケージに感心したものだ。全長4230mm、全幅1795mmとボディサイズもコンパクトで、日本の道路環境にもよくマッチしている。都市型のクロスオーバーSUVとして、高い完成度を誇っている。

<ガソリン車の試乗記はこちら:欧州で一番売れているコンパクトSUV。高い完成度にそれも納得!ルノー・新型キャプチャー試乗記>

今回はE-TECHハイブリッド搭載車に試乗したが、その基本的な優秀な内容はそのままに、走りのスムーズさを向上させたという印象だった。特に発進から時速60キロ辺りまでの低中速域でのスムーズさが違う。もたつきがなく、アクセル操作に忠実に反応するのでストレスがない。ガソリン車ではアイドリングストップからの復帰が少しもたつくのが気になったが、ハイブリッド車ではそれもない。これはモーターで発進するハイブリッドならではの強みだ。

E-TECHハイブリッドは、モーター側に2つ、エンジン側に4つのギアを持ち、変速比は12通り。つまり12速ATとなるわけだが、走行時にシフトショックを感じることはなく、またCVTのような空走感を感じることもない。走行時、モーターとエンジンを巧みに併用していることはメーターの表示を見ているとわかるのだが、その切り替わりは体感では分からないほどだ。

メーター内にバッテリーやエンジンの発電状況などが表示される

高速道路での合流や追い越しなど、一気に加速するとエンジンメインでの駆動となるが、その際も力不足はなく余裕の走り。ただ速度を上げてもエンジン音は気にならないが、風切音がやや大きいのが気になった。このあたりは静粛性の高いハイブリッド車ならではだ。

ガソリン車と比べると車両重量が110kgほど重くなるが、乗り味は大きく変わらない。厳密には重量が重くなり重心も下がるので、ガソリンよりも落ち着いた乗り味になっているはずだが、軽快感は同等で、しなやかな乗り心地もそのまま。したがって、ガソリン車の魅力はそのままに燃費良くドライブを楽しめるというわけだ。

インパネを含め、室内のパッケージやレイアウトは変わらない。これもシステムがコンパクトなE-TECHハイブリッドならではだ

価格は374万円で、レザーシートを採用した「レザーパック」でも389万円。装備がほぼ同等となるガソリン車の「インテンステックパック」は332万円だから、車両価格としてはかなり戦略的なプライスといえるだろう。燃料はガソリン車、ハイブリッド車のどちらもハイオクなので、コスト面でのハイブリッドの優位性は国産車よりも高いといえる。(鞍智誉章)

試乗車はレザーシート。座り心地も質感も文句なし
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