日野自動車は8月22日、エンジン認証不正問題に関する国土交通省の立ち入り検査において、排出ガス劣化耐久試験に関する追加の不正行為が判明したと公表した。
なお、これまで認証プロセスにおける不正行為が判明していなかった小型エンジン「N04C(HC-SCR)/2019年モデル」も今回判明した不正行為の対象となるため、同エンジン搭載の小型トラック「日野デュトロ」についても同日より出荷停止を発表した。なお、今後の対応については国土交通省の指示に従うとしている。
【追加判明事項】
<不正行為の内容>
排出ガス認証申請に際し、①劣化耐久試験の各測定点において排出ガス測定を2回以上行う必要があるところ、測定回数が不足している測定点があったこと、②劣化補正値の算出の際にそれらの測定データを使った算出が求められるところ、各測定点で1回分の測定データにより算出していたことが判明。なお、技術検証の結果、「N04C(HC-SCR)/2019年モデル」は排出ガスの規制値超過の可能性は認められていないが、国土交通省の立ち入り検査において今後確認を予定している。
<原因>
関連法規の理解不足、規定・標準類の不備、認証プロセスの適正性を確認する仕組みの不備等
<対象機種>
「N04C(HC-SCR)/2019年モデル」 ※平成 28 年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制/E9)対象
なお、車両用エンジンの平成 28 年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制/E9)対象全機種が該当、産業用エンジンの平成26年規制(4次規制)対象全機種も該当ないし該当する可能性あり。ただし、「N04C(HC-SCR)/2019年モデル」以外は、各測定点における適正な測定の前提となる劣化耐久試験そのものが適正に実施されていなかったことがこれまでに判明しており、これらの機種ないし搭載車種はすでに出荷停止となっている。
<新たに出荷停止となる車種>
- 対象エンジン機種 : 小型エンジン「N04C(HC-SCR)/2019年モデル」
- 搭載車種 : 小型トラック「日野デュトロ」 (2019年5月発売以降のモデル、国内市場向け) ※同エンジンはトヨタ 小型トラック「トヨタ・ダイナ」および「トヨタ・トヨエース(2020年3月まで販売)」にも搭載 ※積載量1.5トンクラスについては、トヨタ製GDエンジン搭載のため対象外
- 不正行為の対象台数 : 76,694台 (累計登録台数 ※7月末時点)
- 年間登録台数 : 26,771 台 (2021年度実績)