トヨタガズーレーシングは6月1日、GRカローラの日本仕様とGRカローラ モリゾウエディションを世界初公開した。モリゾウエディションは、マスタードライバーのモリゾウことトヨタ自動車・豊田章男社長が自ら試作車のハンドルを握り、こだわりを持って作り込まれたモデル。GRカローラの日本仕様であるGRカローラ RZは、今秋頃から全国のトヨタ車両販売店から発売され、GRカローラモリゾウエディションは、今冬頃から全国のGRガレージにおいて台数限定で発売される。予約抽選は秋頃から受付開始という。
■GRカローラモリゾウエディション車両概要(GRカローラ RZと比較して)
リヤシートを撤去し乗車定員を2名としたことで、約30㎏の軽量化を実現した。
ボディ剛性をさらに向上させた。その手法として構造用接着剤を3.3m追加で塗布し、ボディ補強ブレースも追加した。また、10㎜拡幅したハイグリップタイヤにより、コーナリング時の安定性とブレーキ性能が向上した。
パワーユニットでは、エンジンスペックのうち最大トルクを370Nmから400Nmへと向上。中回転域のトルクを高めることで加速性能を向上させた。最高出力はそのまま(304PS)。
ディファレンシャルギアのローギアード化と、1速から3速のクロスレシオ化。これにより、動力性能の向上と気持ちのいいギアのつながりになった。
インテリアでは、しっかりと身体をホールドするセミバケットシートを採用。走行性能向上により、ドライバーに多くのGがかかる中でも、正確なドライビングをサポートしてくれる。
この他、ドアトリムオーナメントやインストルメントパネルなどへ鋳物ブラック塗装を施し、ステアリングやコンソールにはウルトラスエード表皮を採用し、スポーティな室内空間に上質さをプラスした。
外板色には、マットスティールを専用設定。さらに、GRカローラ モリゾウエディションならではのこだわりとして、ウインドウシールドガラスに“モリゾウサイン”が施されている。
車両開発では、レースで勝つために鍛えたクルマを市販化するという「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」によって進められた。開発中のGRカローラに水素を燃料とするエンジンを搭載し、スーパー耐久シリーズに参戦した。
極限状態での「走る、止まる、曲がる」が求められるレースの中で、水素エンジンや車両を鍛え直していった。マスタードライバー・モリゾウのこだわりの一つ「お客様を魅了する野性味」を追求するため、モリゾウの他レース/ラリードライバー、同社の評価ドライバー、エンジニア、メカニックが一丸となり、さまざまな道を走り込んだ。
そして、徹底的に不具合を出し尽くして、改善を重ねることで“ドライバーと対話のできるクルマ”“ずっと走らせたくなるスポーツカー”に仕上ったという。