自動車メーカー各社のニューモデル展開は今や、SUV、コンパクトハッチ、ボックス型ミニバンの3分野を軸に多様化する展開となり、一段と3極への集中度合いが高まっている。このことは、従来の流れとは異なる多様化へのコンセプト変更が進みつつあることが伺える。
SUVは、従来のパッセンジャーモデルとのクロスオーバーコンセプトが主流であったものが、ラフロード色を盛り込んだ4WD車テイストのモデルや走りのポテンシャルを高めたスポーツバージョン、ファッショナブル色の強い新規モデルが登場しつつある。パワーユニットもガソリンNA、ターボ、ハイブリッド、クリーンディーゼルに加えてプラグインハイブリッド、電気自動車などとさらに多彩な展開を見せている。
コンパクトハッチバックは、従来のオーソドックスな5ドアハッチバックシェルから、SUVテイストを盛り込んだ「クロス」バージョンがラインアップに加わっている。搭載するパワーユニットはガソリンNA、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車も加わり、さらなる多様化への進捗が見られる。
ミニバンは、従来存在した乗用車ベースのハイトタイプが姿を消し、背の高いボックス型が主流となりつつある。自動車メーカーもトヨタ、日産、ホンダ、三菱が継続しているものの、マツダ、スバルが撤退している。継続している各社もボックス型に集約、ハイトタイプのほとんどのモデルを廃止、姉妹車モデルのラインアップも一本化しつつある。パワーユニットはガソリンNA、ターボ、ハイブリッドからハイブリッドへの集約が進みつつある。今後はSUVテイストの導入も行われそうである。
(遠藤 徹)