日本自動車販売協会連合会(自販連)東京都支部は、日本自動車教育振興財団が教育支援の一環として実施している高等学校への講師派遣要請を受けて、東京都立六郷工科高等学校(大田区東六郷)で行われた特別授業に協力した。
日本自動車教育振興財団は、主に工業高校や総合学科高校を対象にした自動車技術や交通社会の教育を推進するための支援活動を行っており、実務を担う自動車教育推進協議会を各都道府県に設置。東京都では自販連東京をはじめ、自動車整備振興会、全国軽自動車協会、日本自動車連盟、日本損害保険協会の各東京都支部が協議会の中心メンバーとなり、技術教育支援や研修事業、普及啓発等の活動をサポートしている。
EVの基礎・構造を学ぶ特別授業を実施
技術教育支援は、高等学校等が主催する授業や講演会に、実際に自動車関連企業勤務の技術部門担当者を講師として派遣。都立六郷工科高等学校では、日産東京販売からサービス部・技術グループの安井義幸担当課長が招かれ、「日産・電気自動車(EV)について」をテーマにした特別授業が行われた。
授業では、EVとガソリン車との違いやモーター駆動の特徴、EVの基本構造などを図説を使って分かりやすく解説した後、日産リーフの実車を使った実習形式の授業へと移行。生徒達はリフトアップした車体やガソリン車とは異なるモータールームを実際に確認しながら、インバーターやモーター、バッテリーの構造や役割について学んでいた。
同校の福田健昌校長は「近年、ものづくりをしたいという子供達は減ってきている」としながらも「中学生の体験入学では、親の影響でクルマが好きになり訪れたと話す生徒も少なくない。クルマの整備士になりたいが、工業高校は厳しいといったイメージを持つ生徒もいる。今後もそう話す生徒達が集えるよう改革を進め、自動車業界を背負って立つ人材を育てていきたい」と語っていた。
都立六郷工科高等学校は現在、東京都教育委員会が推し進める工業高校の改革プロジェクトの一員として、先端技術に対応した学習強化も予定されている。技術革新やDX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えた人材を育成する新しい工業高校へ、その実現を目指している。