いすゞ、大型自動運転バスの共同実証実験を実施

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いすゞ自動車、西日本鉄道株式会社、三菱商事株式会社は3月7日、公共交通におけるドライバー不足の解決策の一つとして期待されている自動運転の実現に向け、いすゞ製大型バスでの自動運転の共同実証実験を実施することに合意したと発表した。

同実証実験は、限定された走行区域を走行するレベル2(部分運転自動化)自動運転の実証実験から開始し、その後、段階的に自動運転技術を高め、将来的にはレベル4(高度運転自動化)の自動運転走行の実現を目標としている。今回は、福岡空港国内線・国際線旅客ターミナルビル間の移動円滑化に向け、自動運転技術の導入を目指す福岡国際空港株式会社の協力のもと、両ターミナル間の連絡バス走行経路内の閉鎖空間において、実証実験を3月8日(火)より開始する。

3者は同実証実験を通じて、運用・サービスに関する課題点を洗い出し、自動運転バス技術を高めながら、将来的な社会実装の実現に向けた検討を進め、少子高齢化による労働力不足をはじめとしたさまざまな社会課題の解決を目指すと述べている。

【共同実証実験の概要】

◆実証期間:2022年3月8日(火)~4月8日(金)

◆実証区間:福岡空港 国内線・国際線連絡バス道路 約1.4km

◆車両:

  • 導入台数:大型自動運転バス1台
  • 車名:いすゞ自動車「いすゞエルガ 2RG-LV290Q3」
  • 乗車定員:79人(座席29席)

◆運行便数:1日8往復(運行時間帯:6時~21時、日により運行時刻は異なる) 一般客は乗車不可。 ※当日の天候や車両のメンテナンス状況などにより運行予定が変更となる場合あり。

◆検証内容:

  • 大型自動運転バスの技術評価・改善
  • 大型自動運転バスの安全性・利便性に関する知見の獲得
  • 大型自動運転バス利用における運用・サービス両面における課題点の検証など

【福岡空港内際連絡 自動運転バス車両 仕様概要】

いすゞがこれまで培ってきた路線バス開発ノウハウ(バスに普遍的に求められる乗り心地や安全性)や車両制御技術を、外部スタートアップ企業の自動運転ソフトウェアへ組み込むことで、両社の知見・得意分野を融合し最大化を実現し、自動運転大型路線バスを開発した。

①車両 いすゞエルガ 2RG-LV290Q3

  • 乗車定員:79人(座席29席)
  • ホイールベース:6000mm
  • エンジン:4HK1―TCH
  • トランスミッション:オートマチックトランスミッション
  • 仕様:郊外Ⅱ型 中乗り

②自動運転システム

  • 車両上部に搭載したLiDARで検知したスキャンデータを、3Dマップとマッチングさせて自車位置推定を行い、3Dマップに埋めた走行軌道をなぞり自動走行します。

搭載センサ機能

  • LiDAR:前後左右に各2つずつ、計8つのLiDARを搭載。車両周辺360度をスキャンし、道路構造物や車両などを検知する。(LiDAR:Light Detection and Ranging レーザセンサ)
  • 望遠・広角カメラ:主に信号の灯火色を検知する、それに加え周辺環境検知の補助も行う。
  • ミリ波レーダー:側方の車両を検知する。
  • ジャイロセンサ:自車位置測定の補正を行う。

④GNSS(Global Navigation Satellite System 衛星測位システム)>

  • 自車位置推定の補正を行う。

 

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