フォルクスワーゲンは1月12日(独現地時間)、昨年より持続可能で、ソフトウェアを中心としたモビリティグループへの変革を前進させ、BEVの販売台数が前年比約2倍の45万2,900台となったと発表した。BEV販売台数は、総販売台数の5.1%を占めており、前年の2.5%から増加した。
同グループは、電気自動車の販売においてヨーロッパでのマーケットリーダーであり、主要市場である米国でも第2番位のシェア(約7.5%)を獲得。中国では、2020年の4倍以上となる9万2,700台のBEVを納車した。全世界におけるプラグインハイブリッド車の販売も大幅に増加し、30万9,500台(61%増)を達成。世界的に888万2,000台の車両を納車。好調な受注に反して、世界的な半導体不足により、2020年と比較して4.5%のわずかな減少となった。
フォルクスワーゲン グループ セールス責任者クリスティアン ダールハイム氏は、「2021年は世界的な半導体不足のために非常に困難な年となりました。しかし、私たちは一貫して未来に向けての“NEW AUTO”戦略を実行してきました。電気自動車の販売台数が2倍になり、すべての車両に対する需要が高いことは、私たちが正しい方向に進んでいることを明確に示しています。この基盤の上に今年も歩みを続け、変革を引き続き推進していきます。」と述べている。
同グループは2021年の数値について、今後のビジネスモデルがどのように変化しているかを示しており、事業収入では従来のガソリンエンジンからゼロエミッションの電気自動車へ、車両の販売からソフトウェアや主要なテクノロジーである自動運転等によって実現するモビリティサービスへと徐々にシフトしていくとし、2030年には世界中で販売される車両の2台に1台が電気自動車になると予測していると述べている。
また、製品ポートフォリオの体系的な電動化は、同グループが12月に発表した2022年から2026年までの投資計画にも反映されており、e-モビリティに対する設備投資と開発コストが、以前の計画と比較して約50%増加し、合計で520億ユーロとなっている。
【2021年にグループでもっとも多く販売された電気自動車】
- フォルクスワーゲンID.4:11万9,600台
- フォルクスワーゲンID.3:7万5,500台
- アウディe-tron(Sportbackを含む):4万9,200台
- シュコダEnyaq iV:4万4,700台
- フォルクスワーゲンe-up!1:4万1,400台
- ポルシェTaycan(Turismoを含む):4万1,300台
【2021年 地域別販売台数】
<ヨーロッパ>
合計351万8,700台の車両を販売(2.7%減)。西ヨーロッパではバッテリー式電気自動車の人気が高く286万400台を販売(2.7%減)。西ヨーロッパにおけるグループ販売台数の10.5%を占めている(2020年:6.2%)。グループのホームマーケットであるドイツではBEVの需要が上昇しており、グループ販売台数の11.4%を占めた(2020年:5.9%)。この地域では、すべての駆動システムを合わせ、合計99万1,900台を販売(9.6%減)。中央および東ヨーロッパにおける販売台数は2.8%減少し65万8,300台となった。
<北米>
前年比15.6%の大幅な増加となる、90万8,400台を販売。とくに米国では好調なセールスを記録し、販売台数が16.9%増加して67万1,800台となった。北米最大の市場である米国では、グループのBEVの販売台数が前年比3倍の3万7,200台に増加し、バッテリー式電気自動車で2位となった。
<南米>
前年比5.1%増となる合計51万4,600台を販売。この地域で最大の市場であるブラジルでの販売台数は、前年とほぼ同レベルの37万6,500台(0.3%減)となった。
<アジア地平用地域>
前年比12.4%減の361万600台となった。グループ最大の単一市場である中国は、半導体不足の影響を受け、14.1%減少して330万4,800台を販売。電動化攻勢はこの地域でも実を結び、グループBEVの中でもっとも力強い販売の伸びを示し、前年比4倍以上増加し、9万2,700台となった。