MINIとポール・スミスのコラボレーションモデル「MINI STRIP」を世界初公開

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MINIと世界的デザイナーのポール・スミス氏は8月12日(現地時間)、両者のコラボレーションで開発された「MINI STRIP(ストリップ)」をロンドンで世界初公開した。

 

 

同モデルに関して、MINIデザイン本部長のオリバー・ハイルマー氏は、「MINI STRIPは、MINIとポール・スミスがイノベーションとデザインの観点から未来に対して同じ勇気ある考え方を共有し、協働することでより大きな成果がもたらされることを素晴らしい形で示したと思います。彼は、デザイン・プロセスの最初の段階から直接、自動車の門外漢であり、それゆえ斬新な視点から本質的な質問を投げかけました。強烈な個性を打ち出すステートメントを一緒に生み出すことができたことを誇りに思っています。」と述べている。

また、ポール・スミス氏は、「伝説的なMINIを新たな視点で捉えなおす機会が与えられたことに非常に感謝しています。従来のクルマにはなじみがあり、大好きですが、私たちは伝統を尊重しつつ、未来を見据えることで、実にユニークなクルマを作り出しました。MINIチームは、車両デザインを作り出すに当たって新たな手法を取ることに信頼を寄せ、自由を与えてくれました。それは私にとって冥利に尽きるものでした。私たちは、本質的なものを洗い出し、アイテムを絞り込み、自動車から不要なものを取り除くことで、何か全く特別なものを一緒に作り出した、と信じています。」と語った。

【「シンプルさ、透明性、持続可能性」をテーマとしたデザイン】

同車はオーダーメイドの一点ものとなり、2020年11月に告知されたMINIとポール・スミス氏とのコラボレーションの成果となるモデルで、自動車製造における持続可能性というテーマへの革新的なアプローチに主眼を置き、「シンプルさ、透明性、持続可能性」をテーマとした車両デザインを採用している。

共同プロセスにおいて、最大限に削ぎ落したデザインの「MINI Cooper SE」に、数多くのディテールが施されており、カラー塗装は使用せず、ボディはむき出しの状態で、薄く透明な塗膜のみがボディを腐食から保護している。亜鉛メッキ鋼板は、工場での研削痕を意図的に残しており、車両が紛れもなく実用品であり、頑丈な日々使用するアイテムであることを示しおり、この意図的にむき出しに見せる表面効果をポール・スミス氏は「完璧な不完全さ(the perfect imperfection)」と名付けている。

また、MINI特有のブラック・ベルトのパーツは再生プラスチックから3Dプリントされ、パネルと同様にむき出しの素材のままとなっている。自ら作業を行い、レーシングバイクのパーツを自身で交換したり改造する自転車愛好家のポール・スミス氏の着想で、取り外しがいかに容易か、車両がそのライフサイクルを終えた後、原材料サイクルに再び組み入れることがいかに簡単かを示すため、ボディ・パーツには目に見えるボルトが使用されている。3Dプリントによる際立つ質感を持った、3Dプリント製のフロントおよびリア・エプロン・インサートは、機能的で独特な印象を与えている。

さらに、閉じたラジエーター・グリルとホイール・カバーが採用され、空気抵抗を低減し、理論上の航続距離を向上。再生プレキシガラス製のグリル・カバーとホイールのエアロ・プレートにより軽量化だけでなく資源も節約するほか、再生プレキシガラス製の大きなパノラマ・サンルーフも装備しているほか、典型的なポール・スミスのストライプを採用し、充電グリッドでは開いた状態でネオン・グリーンのカラー・アクセントが施されている。

 

 

【極端なまでに削ぎ落したインテリア】

インテリアでは、「シンプルさ」と「透明性」をテーマとして極端なまでの削ぎ落しを実施した。ダッシュボード、トッパー・パッドおよびリヤ・シェルフを除いて、すべてのトリム・パーツが意図的に取り除かれ、ボディ・シェルが視覚的にインテリアで大きな存在感を示している。ポール・スミス氏のたっての希望によるブルーのカラーが特徴で、むき出しの素材と強烈なブルーがインテリアに独特な美しさをもたらしている。

また、通常は複数のパーツから成るダッシュボードは、スモークガラスのルックスを持つ1つの大きな半透明のコンポーネントのみで構成されており、円形のエレメントを備えたMINIデザインに準拠し、形状はかなり単純化され、きわめてグラフィカルに実装されている。クラシックなセンター・メーターパネルに代わり、所有者のスマートフォンがその役割を担う。

 

 

【リサイクルされた環境に配慮した素材を採用】

室内では、「サステイナビリティ(持続可能性)」の観点からミニマリスティックな形状デザインと並んで、リサイクルされた環境に配慮した素材が中心に添えられている。内装にはレザーとクロームはまったく使用されておらず、シートはニット・テキスタイルでカバーし、単一素材として完全に実装することで、パイピングを含むシート・カバーが完全にリサイクルされ、マテリアルサイクルの維持が可能となる。再生ゴム製のフロア・マットを装備している。

また、ダッシュボードのトッパー・パッド、ドア・パネル、リヤ・シェルフも形状が大幅に削ぎ落され、再生コルクで作られており、使用されているコルクは、人工的な結合剤なしで成形可能で、完全にリサイクル可能となっている。リサイクルの可能性と再生可能な原料としてのコルクは、その「製造」中にCO2を結合するため、温室効果ガスを節減する可能性を提供するのに加え、多孔質性の素材としてニットとコルクが室内音響にプラスに作用する。

 

【ミニミリスティックで機能的なディテール】

必要最小限の機能にまで絞り込まれたステアリング・ホイールでは、3本のアルミ・スポークがホーン・パッドと接続されており、ホーン・パッドはネットだけで覆われ、エア・バッグが見えるようになっている。目に見えるボルトは、エクステリアと同様に、アルミニウムを再利用できるように後で簡単に取り外すことができることを示している。1時の位置にある小さなポール・スミスのファブリック・ラベルが、コラボレーションモデルであることを示している。

エア・バッグを覆っているのと同じネット製のドア・パネルは、フレームで保持され、ドア構造が見えるようになっている。見る角度によって編み込まれたネットの透け具合が変化し、視覚的に室内の雰囲気を和らげるほか、ドア・パネルのプル・グリップにはクライミング・ロープが巻かれている。インテリアが明るいオレンジで、同色のベルトと同様に生き生きとした印象を与え、アルミ削り出しのドア・オープナーは、コルク製のパネル部分にあるプル・グリップと同様に、ドア領域を高品質に仕上げている。

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