7月1日、日本自動車販売協会連合会（自販連）と全国軽自動車協会連合会（全軽自協）は21年6月および1-6月の上半期の新車販売台数を発表した。登録車、軽自動車ともに新型コロナの影響が深刻だった前年同期に比べてプラスに転じるも、上半期後半は半導体不足の影響が深刻さを増し、一昨年との対比では大きくマイナスとなっている。
6月の登録車は9.2％の増加
6月の新車販売台数のうち、登録車は23万4697台で前年同月比9.2％の増加。4ヵ月連続での対前年比増となったが、これは前年の同時期は新型コロナウイルスの影響で販売・生産が低迷していた影響が大きく、6月単月としては昭和43年（1968年）の統計開始以来、下から5番目。一昨年（2019年）との対比では19.1％減となり、本格的な回復とは言えない状況が続いている。
登録車のうち、乗用車は19万8108台で前年同月比8.8％増。ただし、6月単月の数字としては2001年以降下から2番目、一昨年6月との比較では20.1％減となり大きく低迷している。長引く新型コロナウイルスの影響もあるが、半導体不足による減産や納期の遅れが大きな要因といえそうだ。
ブランド別では、
トヨタ：11万7726台（15.7％増）
レクサス：5398台（54％増）
ホンダ：2万417台（17.3％減）
日産：2万294台（3.5％減）
マツダ：7188台（16.6％減）
スズキ：6250台（24.7％減）
スバル：5459台（15.8％減）
ダイハツ：3201台（4.7％減）
三菱：1902台（23.9％増）
( )内は前年同月比
レクサスを含むトヨタと、三菱は前年同月を大きく上回ったものの、その他のブランドはいずれもマイナス。特にホンダ、マツダ、スズキ、スバルは2ケタ減と大幅に落ち込んでおり、厳しい状況となった。
6月の軽自動車は1.2％減
軽自動車は13万934台で、前年同月比では1.2％減。貨物車は5.4％増とプラスに転じたが、乗用車は3.2％減と減少した。
一昨年（2019年）6月との対比では、軽自動車全体で18％減。このうち乗用車は17％減、貨物車は21.4％減となっており、乗用車、貨物車とも大きく台数を落としている。
ブランド別では、
ダイハツ：4万7361台（25.5％増）
スズキ：3万4832台（17.6％減）
ホンダ：2万7239台（15.1％増）
日産：1万1106台（43.2％減）
三菱：3233台（14.2％減）
マツダ：2382台（30.4％増）
スバル：1681台（9.4％増）
トヨタ：3100台（45.6％増）
上位2社ではダイハツが大幅増、スズキが大幅減と明暗を分けた。スズキは半導体不足による大幅な減産が続いており、厳しい状況となっている。また日産は20年3月に発売した新型ルークスが一巡したことに加え、生産する三菱・水島工場が減産を続けていることで半減に近い台数となった。
各社の半導体不足は今後も当面続くものと見られており、比較的半導体の在庫を多く持っていたダイハツも6月中旬以降減産していることから、7月はかなり厳しい数字となりそうだ。
21年1-6月は登録車8.7％増、軽は16.7％増
21年上半期(1-6月)は、登録車が152万1878台で前年同期比8.7％増、軽自動車は94万2708台で16.7％増となった。前年は4-5月を中心に新車販売が大きく低迷し、これとの対比ではプラスとなったが、今年5月以降は半導体不足の影響が大きくなり、数字を伸ばせていない。
一昨年（2019年）との対比では、登録車は12％減、軽自動車は7.4％減となっており、なおも低迷が続いている。
登録車のブランド別台数では、
トヨタ：76万5596台（14.1％増）
レクサス：3万350台（20.3％増）
ホンダ：13万4660台（10.7％減）
日産：14万8175台（7.6％増）
マツダ：7万2847台（0.1％減）
スズキ：5万8863台（12.3％増）
スバル：4万6827台（9.5％増）
ダイハツ：2万1585台（30.1％減）
三菱：1万9468台（35.5％増）
ホンダ、ダイハツが大きく減少。一方でトヨタは新型車が好調に推移したのに加え、半導体の在庫に余裕があったことで大きく伸長している。
軽自動車は、
ダイハツ：29万7448台（23.3％増）
スズキ：28万7482台（19.3％増）
ホンダ：18万1153台（11.5％増）
日産：10万3798台（4.6％増）
三菱：2万4432台（4.4％増）
スバル：1万1202台（7.7％増）
マツダ：1万7631台（7.5％増）
トヨタ：1万9529台」（40.7％増）
ダイハツがトップを堅守。スズキは減産が早かったこともあり、その差が開く結果となっている。
