油壺といえばマリンパークという水族館が有名だが、その直前の右下に広がる横掘海岸にあるのが貸しボート油壺（TEL0468-81-2873）。ここの魅力は3方が山と高層マンションに囲まれていて風に強いという点。他の場所でボートが出せなくてもここなら出せる日が多い。唯一西風が強い日はボートが出せない。
そんな油壺だが、この場所の難点は急坂を上り降りしなくてはならないこと。行きは下り坂だからまだ良いが夏場の帰路は辛い。キャリーカートに荷物をまとめて移動することが必須だ。
ここでは、船外機ボートはないが、風の弱い湾内は漕ぐのが簡単で楽チン。風の強い日は湾内でシロギスを中心に狙いたい。アンカーを投入せずポイントA周辺を流し釣りで楽しめれば好釣果は約束されたも同然。天秤式の2本針にアオイソメを小さくつけて軽く投げて流して釣ればすぐにアタリは出る。注意するのは航路を横切る際に他の船舶やボートに衝突しないように見張りを怠らないこと。オモリは10号前後で十分。潮流と風が弱ければが8号でも楽しめる。ゲストにキュウセンやカワハギがヒットすると強烈に竿先を曲げてくる。取り込みまでドキドキヒヤヒヤする瞬間だが、この時期限定の海からの最高の恵みと考えたい。
ボート乗り場からは遠くなるが、湾外に出てから左に回り込んだ位置にあるヤギ瀬という根周りにイカ類が集まる日がある。水深12m前後だからコマセを使ったサビキ仕掛けで小アジを集めて楽しんでいると、丸イカ=小型のケンサキイカがかかる。専用のウキスッテ仕掛けを投入すると面白いように連発する。仕掛けは3本のウキスっテを使った下オモリ式の銅突き仕掛けで十分。小魚を追いかけて捕食するイカが群れてくれば大漁になることも。過去に30分足らずで30杯以上釣った経験もある。季節は6～7月中旬頃。ヤギ瀬周辺をサビキ仕掛けでアジ狙いをしているとそんな絶好の日に遭遇することもある。イカの群れがわかれば速攻でアンカーを投入してイカ狙いに集中しよう。
なお、ボート代は1日4000円。駐車場代は500円と520円の2箇所あり。トイレは貸しボート店舗内と駐車場敷地内にある。釣行前日までにはボート店に予約の電話を入れること。
東京からのアクセスは首都高速横羽線経由で横浜横須賀道路・狩場インターから入り、衣笠インター下車。県道26号線に入り林ロータリーを左折し国道134号線を南下。油壺入り口の交差点を右折して直進。県営駐車場が見えたら止める。道の右手に急坂の下り坂を降りれば貸しボート店舗に出る。
＜梅澤克博＞
神奈川県藤沢市出身。江ノ島の近くに生まれ育ったためか、小学校4年生の頃から海釣りを経験。2歳上の兄と自宅近くの池でフナ釣りをしたりアメリカザリガニを捕ったのはもっと小さい頃から。中学生時代にイシダイ釣りにハマるが、外道のウツボや良くてカサゴ程度に終わる。大学時代は創部60年以上の歴史を持つ釣り部に入り、磯釣りに没頭する。大学卒業後はトヨタ系ディーラーのセールスマンを経て自動車関連の業界誌記者に転身し、その後編集プロダクションを設立。「関東周辺防波堤釣り場ガイド」等を手掛ける。最近は陸っぱりの釣りは完全に仕事になってしまったため、プライベートでは手漕ぎのボート釣りを楽しむ。動画でもレポートする「うみつりネット」も運営中。
