ホンダがベンチャー企業「株式会社Ashirase」設立、視覚障がい者向けナビゲーションシステム「あしらせ」を開発

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ホンダは6月11日、従業員が持つ独創的な技術・アイデア・デザインを形にし、社会課題の解決と、新しい価値の創造につなげる新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」の全社展開を開始し、同プログラム発のベンチャー企業第1号となる「株式会社Ashirase(あしらせ)」を設立したと発表した。株式会社Ashiraseは、視覚障がい者の歩行をサポートするシューズイン型のナビゲーションシステム「あしらせ」を開発しており、2022年度中の発売を目指している。

 

「IGNITION」は、2017年にホンダの研究開発を担う子会社である株式会社本田技術研究所で開始したプログラムで、本年4月からはIGNITIONの全社展開を開始し、すべての従業員が新事業創出にチャレンジできるようになった。開始以来多数の事業アイデアの応募があり、すでにホンダの事業と親和性が高い数点の提案は社内での事業化を目指し推進されている。 一方、ベンチャーを起業し、その特性を活かして取り組んだ方が、より早く社会に価値を提供できる提案もあったため、2020年に「社内での事業化」に加え、「ベンチャーを起業して事業化を目指す」という方法をIGNITIONに追加した。

 

新会社設立に際し、株式会社Ashirase 代表取締役の千野 歩氏は、「身内の事故をきっかけに、視覚障がい者のより安全で自由な移動を実現したいと活動を始めました。『あしらせ』を開発し、Hondaの新事業創出プログラム『IGNITION』に挑戦して、今回(株)Ashiraseの起業に至りました。『あしらせ』の発売に向けて、これからたくさんの壁にぶつかることになると思いますが、一つひとつ乗り越え、視覚障がい者の自由な移動の実現に向けて、全力でチャレンジしていきます」と語った。

 

「あしらせ」は、靴の中に取り付ける立体型のモーションセンサー付き振動デバイスと、スマートフォンアプリで構成されたナビゲーションシステム。アプリで移動ルートを設定し、靴の中に取り付けたデバイスが振動してナビゲーションを行う。直進時は足の前方の振動子が振動、右左折地点が近づくと、右側あるいは左側の振動子が振動することで、進行方向を直感的に理解できる。

 

「あしらせ」の振動デバイス

 

【「あしらせ」の特長】

  • GNSS(Global Navigation Satellite System)測位情報と、ユーザーの足元の動作データから、視覚障がい者向けの誘導情報を生成
  • 白杖を持つ手、周囲の音を聞く耳を邪魔せず、足への振動でナビゲーションを行う
  • 足の神経層に合わせた振動子の配置とし、振動を感じやすい
  • 本体には柔らかく、形状を保てる素材を採用し、靴の中に入れても違和感が少ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【「IGNITION」の特長】

  • 勤続年数や所属部門に関わらず、日本のホンダ正規従業員は誰でも応募可能
  • 最終審査を通過したアイデアは、社内で事業化、あるいは起業しベンチャーとして事業化
  • 事業化判断までの期間は6ヵ月間を基本とし、期間中は専門スキルを持った社内人材によるタスクフォースチームが結成され、提案者をサポート
  • 審査過程において、ベンチャーキャピタルがアドバイスや支援を実施
  • 起業したベンチャーの独立性を担保するため、ホンダの出資比率は20%未満
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